2014.05.19
もし転職を考えているなら、市場での自身の価値を正しく評価することが大切です。そのためには、転職市場で求められる税理士の傾向や特徴を探っておくべきでしょう。
転職市場で必要とされる税理士の特徴の1つに、「BIG4税理士法人」の経験があるということがあります。何よりブランド力が評価されますが、基礎教育がしっかりしている点、実務の品質が高い点なども評価されます。税理士法人にとって、決算や税務申告で数字を間違えることは信頼を失墜しかねません。質の高い業務を経験してきた人の評価が高いのは、こうした背景が起因しています。
それ以外の特徴は、総合的に評価されるのが法人税に関する業務経験者であることです。加えて、国際税務や相続税のような専門性の高いスキルを持っている人も評価されやすいようです。ただしこれらは、どこで働くか、転職先が何を求めているかによって評価の度合いは異なります。
一般企業で求められるスキルはどうでしょう。法人税のほか、国際税務、再編税務、移転価格税制、グループ法人税などのスキルは評価されるでしょう。移転価格税制を含めた国際税制は、大手税理士法人から別の大手へ転職する際にも評価されるでしょう。専門性が高く、経験者が少ないことから、非常に需要が高いのです。
中小の税理士法人や会計事務所に求められるスキルは、転職先によって異なります。たとえば「資産税に強い」「医療系に強い」「金融系に強い」など、事務所によって求めるスキルが異なるということです。一度も経験したことのない業種やスキルを求める事務所への転職は難しいと考えるべきでしょう。
相続税に関する業務経験者は総じて評価されます。実務経験者が少ないためです。相続に関する税理士法人や会計事務所に転職しようとしても、法人税の経験しかない人は不利でしょう。
国際税務などの専門知識の有無は自分の価値を判断する1つの指標となるでしょう。経験者の少ないスキルであるかどうかを見極めておくことも大切です。
(文:VRPスタッフ)
大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。