2014.05.13
税理士の方の中には、将来的に独立を考えている人もいるでしょう。独立の考え方は、税理士でも会計士でも基本的に同じです。ではどんな知識が必要で、何に留意すればよいのでしょう。ここでは独立を想定した人向けに注意点を挙げてみることにします。
まずは、独立したときに何を武器とするのかを考えることが大切です。特徴がなければ、仕事を受注するのは難しいでしょう。クライアントがあえて頼むだけの特徴を持ち合わせるようにしましょう。
現在の状況が、こうした特徴の有効性を求めているともいえます。2002年に税理士法が改正されたことに伴い、税理士報酬は自由化されました。これを機に個人の会計事務所などの受注相場が下がる傾向が続いています。例えば誰に頼んでも同じ結果が見込める「記帳代行」などは安価な仕事で、相当数を受注しなければ売上を引き上げられないのです。
つまり安価な仕事を獲得するのではなく、何か秀でた特徴を武器に、クライアントから選ばれるようになることが大切です。適正な価格の仕事を受注できるような経営を目指すべきです。
中堅の税理法人の中には、受注した業務を海外にアウトソースするケースが増えています。これによりコストダウンを実現し、安価な仕事でも利益を出せるようにしています。記帳代行などの業務を経営の中核に支えていこうと考えているなら、独立するのは相当厳しいと考えるべきです。
では何を特徴にすればいいのか。大手や中堅税理法人に比べて組織力は劣るものの、国際税務や再編税務、移転価格税制、相続などの専門性を追求することは可能なので、こうした強みを特徴に打ち出すのが現実的な解となります。業務代行だけではなく、コンサルティングとして企業などの経理を支援する役割も果たせるようになるべきです。
さらには豊富な人脈、高い品質、ずば抜けて価格が安いなども特徴になるかもしれません。「あの人に頼めば、自社の課題を解決できる」とクライアントから思ってもらうことが大切です。クライアントの課題は何か、それを解決するためには何が必要かを考え、独立後の特徴を打ち出していけるようにすることが大切です。
クライアントの潜在的なニーズを掘り起こす取り組みも必要です。そのためにはコミュニケーション力が不可欠であり、依頼者から現状を聞き出し、そこから見つかる課題を顕在化することが必要です。そこでは交渉力、会話力などが求められるので、こうした手腕を身に付けることも必要でしょう。
(文:VRPスタッフ)
大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。