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大谷幸宏
税理士・会計士の業務は「飽きる」のか?

2014.04.10

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転職を考える会計士・税理士さんとお話をしていると、共通して聞く言葉があります。一種、口にするのが「タブー」とも言うべき言葉です。
それは「会計業務に、飽きた」。
必死に経営に取り組む顧問先の社長さんには口が裂けても言えない言葉でしょう。しかし、特に30代後半、40代の多くの会計人が、この気持ちを密かに心に抱え、迷っている実情を肌で感じます。
資格を取り、実務に就き始めたころは、日々緊張し、また一つ一つの業務は発見、刺激の連続です。しかし、会計業務それ自体はルーティンも多く、次第に変化を感じられなくなります。特に税理士は担当する企業がずっと固定化することも多いでしょう。
 
ほかの職業にももちろん飽きはあるでしょうが、会計人は歳とともに自分にしかない専門性を高めていく、という将来イメージを強く持っている人が多く、現実とのギャップが大きくなりやすいのです。「今の仕事をすることで、自分は本当に成長しているのだろうか」という焦りがあります。
飽きは業務に悪影響を及ぼします。モチベーションが下がれば集中力、生産性は落ちます。よく「車の運転は、慣れた頃が最も危険」と言いますが、単純な会計処理でも、集中力を欠くと思いもかけないミスにつながってしまいます。
しかし、飽きをポジティブに考えることもできます。当初苦しみながら行っていた業務が淡々と行えるようになっていることは、確実にスキルが上がっているということでもあるからです。
また、飽きは新しい挑戦への原動力でもあるでしょう。幅広いコンサルサービスを提供する会計士・税理士の方達も、新規事業へ乗り出すきっかけを語る際、高い割合で「税務への飽き」を挙げます。飽きることができるのは、一つの「能力」なのかもしれません。
 
転職を考えるか否かは横に置くとして、勤務税理士・会計士の皆さんは、まず目の前の業務を見つめ直すことをおすすめします。担当する会社のビジネスについて、会計税務から離れた部分まで深く勉強することで、所長にはない自身の強みとなり、ステップアップの契機になるのではないでしょうか。
会計に関連する業務は無限にあります。本来、簡単に飽きてしまうほど単純なものではないはずです。会計人の皆さんの頭の中には、経営者にとって、喉から手が出るほど欲しい「資産」が詰まっています。飽きが、単なる現状への不平不満にとどまるのか、新たな可能性を切り拓くためのモチベーションになるのかは、自らの心がけ次第と言えるでしょう。
(文:VRPスタッフ)

大谷幸宏 プロフィール

大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。

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