1. 株式会社VRPパートナーズTOPページ > 
  2. VRPパートナーズブログ > 
  3. 大企業の業績回復鮮明、会計人のニーズは?
大谷幸宏
大企業の業績回復鮮明、会計人のニーズは?

2014.03.23

このエントリーをはてなブックマークに追加

経団連が、2013年の冬のボーナスについて、会員企業に行った調査結果を発表しました。冬のボーナスの平均妥結額は前年同期比5.79%増の82万2121円と、大きな伸びを示しています。この数字は結構なインパクトで、1959年に調査を開始して以来、バブル期に続く水準とのこと。しかも自動車会社については13.02%増の91万5818円。過去最高の伸び率を記録しています。アベノミクスによる円安が、輸出産業の業績向上につながったことが最も大きな理由でしょう。
 
企業業績が伸びると、監査法人やコンサル会社などの業績もアップし、会計士の採用に積極的になることは間違いありません。実際に、公認会計士の就職・転職市場においても活発化が見て取れます。大企業のいわゆる企業内会計士の採用も期待したいところです。株高により海外からの投資家の動きが活発化すれば、強制適用について依然議論中であるIFRSの業務についても、新たな需要が出ると思われます。そのほか、M&Aなど組織再編、連結会計、海外進出に伴う国際税務など、さまざまな会計業務への需要が高まることが予想されます。
 
一方、これからの課題としては中小・ベンチャー企業への波及でしょう。大手監査法人や大企業を相手とする税理士法人、また大手コンサルティングファームにとっての好条件が中小企業に波及するかどうかは、今の段階では未知数です。
 
中小企業を相手にする税理士事務所などでは、顧問先の業績はまだまだという声が多いようです。ベンチャー企業についても、起業や上場を含め、会計士需要が発生するような動きがあるのか、今後の動向に注目です。金融緩和などのマクロな政策による経済状況の変化を見極める際は、経済のファクターを業種や規模など大きなカテゴリに分けることが必要となります。
 
しかし、大きな変化の中には、見落とされがちな無数の小さな変化があることを忘れてはなりません。特定の分野における会計人の需要にも、目を光らせておくべきでしょう。アベノミクスの成功の可否を分けるのは、事業会社に資金需要が発生し、イノベーションが生まれるか否か、ということです。
 
そして、どのような事業の創出にも必ず会計・税務が関連します。企業の新たな動きをキャッチすることが会計人にも求められます。就職・転職先を決める際も、会計人としての自分の強みや将来のイメージを考えた上で、社会状況にアンテナを張って選択していくことが重要でしょう。
(文:VRPスタッフ)

大谷幸宏 プロフィール

大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。

記事を検索

コンサルタント別で記事を見る

人気の記事

バックナンバー

転職支援サービス申し込みはこちら

一番上へ