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大谷幸宏
「人脈作り」のための転職は是か非か

2013.12.17

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勤務税理士・会計士の方々が抱く将来に関する不安には様々なものがあります。その一つに「いつかは会計事務所を開業したいと考えているが、今の事務所では交際範囲が広がらない」というものがあります。
 
会計事務所の新規顧客獲得の競争は激化しています。そのような経済・社会状況で、開業まもなくスタートダッシュを切ることができる方の多くは、前職で「太い」人間関係を複数作っているものです。
 
勤務税理士・会計士として仕事が定着してくると、担当するクライアント企業の人とは知り合いになり、経営の重要情報を含めた突っ込んだ話ができるようになるものの、新しいつながりはできにくくなります。
 
勤務税理士であれば、自分で顧問先を見つけることを所長から認められることもあるでしょうが、現実的に自由に動き回れるわけではないことが多いようです。膨大な仕事に振り回され、新しい出会いがなくなっていき、年齢を重ねるにつれ、その不安は募ります。
 
よく、税理士事務所で独立した税理士が顧問先をごっそり持っていってしまったということでトラブルになっていますが、そこまで露骨であるかはともかく、自らが持つ個人的な「人脈」が将来の武器になることは間違いありません。
 
最近、将来的な開業を考えている税理士や会計士が、「ネットワークを作りたい」という意図を持って、資格者を募集する一般企業への転職を試みる例も増えてきているようです。「様々な業種の人に会える職業」という基準で会社を選び、毛色の全く違う業務、例えばFP業務を兼ねた保険等の営業職に身を投じる人も出てきています。
 
「人脈づくりのための転職」というと、甘い考えのように感じる人もいるかもしれませんが、必ずしも企業側がそういった考えを持つ人を苦々しく思っているとは限りません。独立というビジョンを持つ人の方が、仕事を身に付けるという目的意識、向上心があり、会社にしがみつかない傾向があるからです。
 
しかも一般の事業会社は、会計事務所と異なり、その人の独立後に直接的な競合関係になる可能性が低いともいえます。独立後に、その税理士と何らかの連携ができる、と考えて採用する場合もあるでしょう。
 
もちろん、面接などの際に「近い将来独立したい」ということを言うべきか否かについてはケースバイケースです。軽く示唆する程度で強調しない方がよい場合もあります。当然、求人の内容からその会社がどのような人材を求めているかを見極める必要はあるでしょう。
 
しかし、いずれにせよ「独立する自信がないから転職する」という消極的な態度は禁物。独立の展望を示すにしろ、示さないにしろ、転職企業で「ビジネスマン」として大きく成長したい、というモチベーションを生き生きとアピールできる人は、どのような会社からも求められるのではないでしょうか。
(文:VRPスタッフ)

大谷幸宏 プロフィール

大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。

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