2012.11.02
ご無沙汰していましたが、ブログの更新です。
いよいよ10日後に、公認会計士試験 論文式試験の合格発表を控えますが、
監査法人における近況の人材状況について、
簡単ながら私見を案内致します。
みなさんのご参考になれば幸甚です。
以前、twitterでも案内致しましたが、今年の監査法人への就職については
昨年と比べても、大きく改善されるでしょう。
合格者に占めるBIG4監査法人への就職率としても、
昨年は約半数程度となっておりましたが、
今年で言うと、恐らく7・8割の就職率に上がると思います。
背景としては大きな要素で2点。
まず1点目として、ご存知の通り、大手監査法人では2010年から
早期退職制度を導入し、各法人においても大きく人員を削減されました。
その事により、現場部門のスタッフの人数も勿論減少し、
部門によっては慢性的な人員不足になっている状況が続いています。
その事により、若手層の採用を強く意識するようになりました。
2点目として、人事制度の変更が影響しています。
中途採用の転職者の方でもご存知ない方もいらっしゃるので、
これから定期採用に応募される方々は、知らなくて同然と思われるかも
知れませんが、各法人において人事制度が大きく変わっております。
仮に数社から内定を頂き、給与金額が提示されていたとしても、
単純にその金額を他法人で比較できません。
と申し上げるのも、法人によっては、「みなし時間外手当」
(※月間○○時間までは、時間外勤務がある事を想定して、
毎月の給与に事前に支給される制度)を導入しているか
どうかにもよって大きく提示額が変わってきます。
「みなし時間外手当」については、仮に実際の残業時間が少なかったとしても、
提示額より下がる事は無いのですが、逆に想定時間を超える時間外業務を
したとしても、実際には、残業時間として申請しづらい風土も御座います。
(法人並びに部門によっても変わります)
また、退職金制度についても、そもそもあるかどうか、
更に、前払い制度(※退職金としての積立金を毎月の給与に
振り分け、表面上の給与支給額としても上がります)かどうかにもよって
変わってまいります。
更に変形労働制(※閑散期の勤務時間(定時)を短くして、
繁忙期の勤務時間を長くする)の導入や、
時間外の勤務時間数をカウントして代休に振り替える制度など、
全体における時間外手当の支給額を抑える事が出来るようになりました。
個人的にはメリハリが効いて、とても良い制度だと思いますが、
就業されている方からすると、時間外手当が減ったという不満は
耳にはしております。。。
後述が長くなりましたが、全体的には勤務時間の配分などによって
人件費を抑える事が出来、その事により採用を積極的に考えられる様に
なりました。
採用状況についても昨年と比べ、明らかに好転していますので、
今年の就職試験についてもぜひ頑張ってくださいね。
陰ながらご健闘をお祈りしております!
大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。