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大谷幸宏
異業界への転職:転職の際の市場価値(年収)について

2012.05.29

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ブログをご覧の皆様


ご無沙汰しております。

最近、なかなか更新出来ずに申し訳御座いません。




さて、久しぶりの更新第一号と致しまして、とある会計雑誌に年間寄稿させて頂いているのですが、そのなかから反響が大きかった記事を編集部の承諾の元、こちらにも記載させて頂きます。



皆様の転職活動において、少しでもお役に立てれば幸甚です。




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表題:

『異業界への転職:転職の際の市場価値(年収)について』



監査法人・税理士法人から事業会社・コンサルティング会社など、今までの経験を活かしながらも、キャリアチェンジされる際における市場価値(年収)についてです。

これについてよくご相談・質問を頂きますので、参考までに具体例などを挙げながらご案内したいと思います。



先ず転職する・しないは別として、年収は高い方が良いというのが皆さんの本音でしょう。私も同じく、仕事をするのであれば、出来る事であれば高い年収を得たいという気持ちは大きいです。



ただ、転職=年収UPとは限らないのが、現在の転職市場でもあります。



確かに数年前(特に2006年~2007年にかけて)は、求人市況がとても活発で、有効求人倍率も1.0倍を超え、完全な売り手(候補者有利)市場になっていた時代では、コストをかけてでも労働力を必要とし、年収も高めに提示されていました。

(バブルの絶頂期で有効求人倍率が1.4倍となりますので、1.0倍を超える事が、どれだけ売り手市場かは想像しやすいかと思います。)

しかしながら、2009年は0.47倍となり、直近の2011年についても回復傾向とはいえ、0.65倍しかありません。いわゆる完全な買い手(採用側)市場で、この様な背景では、年収をあげにくいのが事実です。



では、転職時の年収はどのように決まるか、といいますと、今までの経験を新しい環境下でどれだけ活かせるか・発揮できるかによって決まります。



仮に現在、年収800万円もらっていたとして、またその経験値を100とすると、その100の経験値を新しい環境下でどれだけ活かせるかによって変わります。仮に60%しか活かせないとなりますと、800万円×60%で480万円が市場での対価となります。そこに、これ位は活躍してくれるであろうとの期待値が+α(仮に200万円)として上積みされ、年収で680万円という提示になります。



逆に、今までの経験をそのまま100%活かせるという事であれば、年収UPも期待でき、800万円(100%経験値評価)+α(期待値100万円)で、900万円という年収金額も可能です。



もっと具体例で申し上げますと、29歳:公認会計士・大手監査法人6年目(シニア)の方で現在の年収が800万円あったとします。



仮にこの方が将来の独立を見越し、税務業務を覚えたいという事で、税理士法人へ転職を考えられたとします。

税理士法人においては、税務業務だけでは無く、会計的な側面からの再編のアドバイスや、財務DD業務、IPO支援業務などもあり、仮にその方が税務業務未経験であったとしても、その他の分野で経験を活かせるという評価で、70%の経験値評価を得ることができれば、更に期待値として、150万円上乗せされ、710万円の提示になるということです。



もちろん、今までの経験をもっと活かせる環境下で有れば、経験値評価は高くなり、また、期待値についてもどれだけ期待されているかによっても変わってくるので、上記はあくまで一例としてお考え下さい。



また、先述致しました市場のタイミングによっても変わってきます。

例えば、5年前に同僚が転職した際には、年収800万円から1,000万円に上がったと聞き。自分も年収1,000万円以上で転職したいと考えられる方がいらっしゃいます。

5年前のタイミングでは、J-Soxの導入もあり、会計士転職市場では、かなり労働力需要が逼迫していました。逆に現在はどうでしょう、IFRSの導入も予定されていますが5年前ほどの熱気はありません。

あえて会計系用語で申し上げると、時価評価を含めてバリュエーションして下さい。時代・需要(採用ニーズ)を理解の上、希望年収を伝える事も、成功する転職の秘訣です。


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大事な事は、



「現在、幾ら(年収)をもらっているから、幾ら欲しい」という自分目線ではなく、



「幾らの価値を提供出来るから、幾ら欲しい」という相手目線での物事を考える事です。




年収に限らず、色々な事でも共通して言える事ですので、是非、意識して下さい。





これからも、少しづつ更新して参りますので、宜しければまたご覧下さい。





**アクチュアリー・公認会計士専門のヘッドハンティング会社**

株式会社VRPパートナーズ
代表取締役 大谷 幸宏
http://www.vrp-p.jp











大谷幸宏 プロフィール

大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。

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