2012.03.16
転職をする際に、面接で必ず聞かれる事として、
応募企業への志望理由と、前職(もしくは現職)の退職理由がある。
これはその求職者の方が、今後、どの様な事をしたいのか(どの様なキャリア
プランを描いているのか)、どのような原因で前職(現職)を辞めようと
思ったのかを、確認する為でもあるが、採用企業側からすると、
求職者の方が今後やりたいと思っている事が、採用した企業内で
成し遂げれるかどうか、仮に成し遂げれない場合、
お互いに不幸になる可能性が高く、その見極めをしている。
また、退職理由については、どの様な原因で退職するに至ったか、
その原因が採用企業内でも予想される場合は、仮に採用されたとしても、
再度、退職を考えられる可能性があるので、その見極めをしている。
もっと分かりやすいように具体的言えば、
経理の方で言うと、
非上場の会社に勤務中の方が、有価証券報告書の作成や連結決算業務などに
携わりたいと思い、転職を考えられている方が、上場会社に応募された場合、
採用企業(上場会社)としても、その求職者の希望をかなえられる事は出来る。
しかしながら、同じく非上場の会社に上記の様なお考えを持った方が来られても、
ミスマッチになる可能性が高く、その見極めをしている。
また、同様に退職理由についても、
例えば、
現職においては時間外労働が非常に多く、自分の時間をもう少し増やしたいと
考えられていたとする、採用企業側においては、同じく時間外労働が多い会社で
あれば、その理由を聞く事により、採用のミスマッチを避ける事が出来る。
しかしながら、退職理由として
『ヘッドハンティングされた』
『先輩が転職先に居り、強く勧誘を受けた』
などの理由を、面接時に仰る方もいらっしゃるが、
ヘッドハントや勧誘は、あくまできっかけであり、退職理由には繋がらない。
極端な表現ではあるが、それではヘッドハントされればいつも転職するのか、
と言う事である。
面接時において、転職理由を聞かれた際に、
自信を持って『ヘッドハントされたから』と仰ると、
採用企業側としても、質問の本質を見抜けない方、
また、仮に採用したとしてもまた、
ヘッドハントされれば、また辞められるのではないかと
懸念を頂き、基本的には採用に否定的になるであろう。
また、早期退職制度への応募についても同様である。
「不合理な早期退職を行う会社に不信を抱いた」、
「業績も急激に悪化しており、将来への不安があった」、
などは理由としても理解されるが、会社側からの指名解雇である場合は別として、
退職理由を聞かれ、「早期退職制度に応募しました」と言う事であれば
先述と同じく、きっかけであり、理由には直接繋がらない。
逆に早期退職への応募では無く、会社側から指名退職勧奨を受けた人材
ではないかとの懸念を抱かれる可能性もある。
もちろん、我々の様なエージェントにおいては、面接時における質疑応答など
プロの視点からのアドバイスをさせて頂いているが、
エージェントをご利用になられずに動いている方々において、
上記の様な点を踏まえて、退職理由なども改めて見つめ直して欲しい。
大学卒業後、金融機関にて法人営業職を経験し、98年に管理部門に特化した株式会社日本MSセンター(現:MS-ジャパン)へ入社。東京本部の立ち上げを行うなど、現在の同社の基盤を作る。2004年に国内最大規模のヘッドハンティング会社、サーチファーム・ジャパン株式会社よりスカウトを受け、エグゼクティブサーチ業界へ。 同社入社後も数多くの結果を残し、入社2年でパートナーへ昇進。2007年11月に株式会社VRPパートナーズを設立、代表取締役に就任。18年間のキャリアにおいて、2万人以上の転職者との面談実績を持ち、入社後の定着率は95%以上とサーチ業界内においてもトップクラスの実績を誇る。2014年に日本アクチュアリー会の会員に。