はじめに
近年、アクチュアリーが対処すべきリスクは多様化しています。例えば、気候変動リスク、AIの進化に伴うサイバーリスク、また各国の政治的な変動や経済的な不安定性といった要因により、企業が対処すべきリスクは複雑化しています。こうした中、リスクを統合的かつ戦略的に管理するERM(エンタープライズ・リスクマネジメント)の重要性が急速に高まっています。そして、このERMの分野での活躍が期待されるのがCERAです。
CERAの魅力
1. アクチュアリーにとってのメリット
- ERMの専門知識の獲得: CERAシラバスに基づくカリキュラムで、数理的な知識とERMの理論・実務を学べます。
- 組織や社会への大きな貢献: ERMの専門性を持つことで、経営的な意思決定に深く関与できます。
- 多様な業界での活躍: 金融業界だけでなく、メーカーやサービス、インフラ、通信などの多様な分野での活躍が期待されます。
- グローバルなキャリアアップ: CERAは国際資格であるため、世界中での活躍が可能です。
- CERAネットワーキングイベント: 日本のCERAホルダーと懇親を深めることで、お互いに刺激を受けることができます。
2. 事業者にとってのメリット
- リスクを加味した意思決定: CERAの持つリスク対応力により、意思決定の質が向上します。
- 企業価値の最大化: ERMの専門家として、CERAは企業のリスク管理と価値創出に大きく貢献します。
世界で認められるCERA資格
CERAは、世界基準の高度な教育プログラムを持ち、理論と実務を結びつけた資格として知られています。特に、ERMの7つの学習目標を中心に、包括的なカリキュラムが提供されています。
- ERMの概念及び枠組み: ERMの基本的な概念や全体的なフレームワークを理解することを目的としています。
- リスク測定と評価: リスクの頻度や影響を評価・測定する方法について学びます。この中には、時系列解析、コピュラ、極値理論が含まれます。
- ERMのプロセス: 企業が実際にERMを適用する際のステップバイステップのプロセスを理解することが目的です。リスクの特定、評価、対応、モニタリングなどの具体的な手順について学びます。
- リスク管理のツール及び技法: リスクを特定、評価、モニタリングするための具体的なツールや技法に関する知識を深めます。これには、数理的な手法だけでなく、問題解決など非技術的なスキルも含まれます。
- リスクのカテゴリーと分類: さまざまな種類のリスクを正確にカテゴリー化し、それぞれの特性や影響を理解することが目的です。
- 資本管理: 企業が保有する資本と、その資本をリスクとのバランスを取りながら最適に運用する方法について学びます。
- リスクのモデリング及びリスクの統合: リスクを数値的にモデリングする技法や、異なるリスクを統合して全体的なリスクプロファイルを作成する方法についての知識を深めます。
CERA資格取得者の声
資格取得者の声からも、CERA資格の魅力やその価値を感じ取ることができます。アクチュアリー試験と同様、試験勉強は確かに大変ですが、その中で得られる知識や思考力は非常に価値があります。そして、資格取得後のキャリアの展開や、実際のビジネスでの活用についての期待感も非常に高いです。
- CERA資格に初めて触れたきっかけ: 日本アクチュアリー会のホームページでCERA試験について知りました。ERMを通じた企業価値向上の知識を身につけることに興味を持ちました。
- CERA資格取得後の変化: 資格取得後、合格を報告すると、その反響の大きさに驚かされました。多くの同僚や上司から賞賛や期待の声を受け取りました。ERMに関する知識を活用し、ビジネス上の意思決定に関与することを目指しています。
- 試験勉強の収穫: CERA試験の勉強を通じて、異なるビジネス体系やシナリオについて考えることが求められました。この過程で、リスクの認識・分析・対応のスキルが鍛えられ、実務に役立つと感じました。
- 試験を乗り切る秘訣: 継続的な学習とモチベーションの維持が合格への鍵です。同僚との勉強会や実務への積極的な関与を通じて、モチベーションを維持しました。
- CERA資格取得のメリット: CERA資格を取得することで、ERMの専門的な知識を持ち、自信を持つことができると感じています。さらに、国際資格であるため、海外での活動や交流の際にも有用であると感じられています。
- CERAを目指す方へのメッセージ: CERA資格は取得する過程が厳しいですが、その価値は非常に高いと感じています。資格を活用してキャリアを築いていくことのイメージを持ちながら、継続的に努力することをおすすめします。
まとめ
アクチュアリーの新たな資格であるCERAは、現代の複雑で多様なリスクを統合的に管理するERMの分野での活躍が期待される資格です。取得することで、アクチュアリーとしてのキャリアの幅を広げるだけでなく、企業や社会に大きく貢献することができるでしょう。興味を持った方は、ぜひこのCERA資格に挑戦してみてください。
(ペンネーム:ceraverse)