転職するアクチュアリーは年々増えているように感じます。
企業側も転職前提での採用や人事制度とすることが増えているようですが、それでも実際の転職となると、なかなか骨が折れるものです。
この記事では、転職にまつわるtipsをご紹介いたします。転職は内定をとるまでも大変ですが、この記事では「内定を取った後の社内手続き」にフォーカスして、有給取得に関する苦労について書こうと思います。
以下、筆者の経験とともに
「転職の際に有給休暇をいかにとるか」
「いかに有利に転職するか」
について紹介いたします。
転職にまつわる苦労話、全2回の第1弾をご覧ください。
目次
1.内定とるまでの行動と注意点
2.内定後のカミングアウト
3.最終出社日の検討と交渉
1.内定とるまでの行動と注意点
転職活動、大変ですよね。
転職にあたって、周囲に感づかれないように行動するのは基本中の基本です。
コロナ禍では、リモート面接が一般的になり、転職活動がかなり容易になりました。
そのコロナもバックトゥノーマルなタイミングになり、今後はリモート面接だけでなく、フェイス・トゥ・フェイスの面接も増えてくるのではないでしょうか。
(2023年に執筆してます)
さて、転職活動の詳細はVRPパートナーズさんに全面的に頼ってその詳細はすべて割愛することとしまして、、、
大事なのはその後の社内事務だったり周囲への対応だったりします。
晴れて、内定が2社ほど出たあとを考えてみましょう。
その後どうするか、現職にとどまるか、外へ出るのか、A社とB社どちらにするか、周囲に相談したい方が多いと思います。
「転職活動して内定もらったけど、やめといたよ」
のような話であれば、大いに参考になると思いますが、転職経験ゼロの方の意向は気にせず、自分で決めましょう。
たいていの方は転職に対してネガティブイメージのようですし、なかば「裏切り者」扱いされるような文化もあるようなので、自分自身を守るためにも慎重に行きたいところです。
転職を経験していない方の意見は無視しましょう。
あともう一つ、家庭への報告にも気を使います。
ご両親や配偶者がいる場合、強力に「ブロック」される可能性が高いです。
特に、日系大手から外資への転職などはほぼ確実に反対されますので、
「給料が上がる」
「もっと良い生活になる」
などなど、身内へのプレゼンテーションと啓蒙活動が必須です。
せっかくオファーいただき、本人も納得していたのに「嫁ブロック」にてすべてが白紙になったケースや、離婚に発展したケースもあるようです。
2.内定後のカミングアウト
内定後、新会社とサインを取り交わして準備OKとなったら、晴れて旅立ちの準備です。
極力速やかに上司に直接報告します。
目立たないように、内密に。
転職・退職の「相談」ではなく「報告」とすることが重要です。
基本は「直属上司に報告」です。
時折、ここで1つ飛ばしてさらに上の人への報告をしたり、メール1通流して終わり、など簡略化する方がいらっしゃるようですが、後々の対応が心配ですので、ここは正攻法で行きましょう。
筆者自身はそこまで強い慰留にはあいませんでしたが、それは企業・部署・上司によって相当異なります。
このあたりの事前リサーチは極力、普段から行なっていくことが重要です。
社内の飲み会等で話題になったりしませんか?
「誰々さんが辞めた時は大変だったよね、、、」
「あの扱いはひどかったよね」
「うまくやったよなぁ」
みたいな情報です。
このためだけに飲み会行くのもどうかと思いますが、アンテナを立てておく方がよいでしょう。
また、
「退職報告したら、その場でID等すべて没収、強制帰宅」
「書類整理等の時間を与えずに強制退出」
などの事例もあるようです。
日系では少ないと思いますが、「強制退去」になっても困らないように、退職報告に合わせて重要書類等の整理は事前に行うべきですね。
もうひとつ、社内規程は穴が空くほど確認しましょう。
退職手続きには「退職する1ヶ月前までに報告」といった文言がたいていあります。
法令上は辞める2週間まえに言えばOKのようですが「1ヶ月前までに報告」とする会社が多数あるようです。
ここでつまらない波風を立ててもしょうがありません、ルールには従っておきましょう。
ちなみに、退職報告したあとに気分が良くなって、デスク周りをキレイにしたくなりますが、あからさまにやると周囲に感づかれますので、ほどほどにしましょう。
3.最終出社日の検討と交渉
さて上司に報告ののち、いろいろと慰留が入ることと思います。
もしかしたら給与アップのような「カウンターオファー」が出るかもしれませんが、アクチュアリー界隈ではあまり聞いたことがないです。
投資銀行等と異なるのはこのあたりかもしれませんね。
また、周囲からの対応もなにかしら冷たくなったり、ミーティングにも呼ばれなくなったり(これは情報漏洩の防衛の観点からやむなしですが)、ここは必死に耐えましょう。
慰留されても何も変わりませんので、淡々と退職手続きを進めます。
周りもどことなく冷たくなりますが、気にせず普通に接しましょう。
退職日と最終出社日のタイミングについて
会社や部署によりけりなのですが、なぜか退職者が多い月があったりしませんか?
次の記事にもつながるのですが、「ボーナス直前にやめさせる」文化のところは相当あります。
実際、私もそうでした。
そういう独自の傾向を把握したうえで、最終日を決めるとよいと思います。
ボーナス直後の退職日はたいてい敬遠されますし、あれこれイチャモンが入りますのでそこは覚悟のうえで行きましょう。
さて最終出社日の調整ですが、基本的には足元にある業務をこなし、引き継ぎを済ませたうえで有給休暇の残を消化して退職日に至る、というのがもっともスムーズです。
月末に退職するのが社会保険料等々の絡みで一番良いので、このあたりはVRPさんに聞いてみましょう。
ターゲットとなる月末を退職日として、有給の残日数の分だけ消化できるよう、最終出社日を逆算します。
ところが、やはり世の中は「裏切り者」には冷たいようで、あれこれと注文をつけ、最後まで使い倒そうとすることが考えられます。
ですので、有給の消化をうまくできずに次の職場へと転職するケースが多いです。
有給の消化はちょっと大変ですが、ここはひとつ、踏ん張ってみることをお勧めします。
というのも、基本的に付与された有給は労働者の権利ですので、会社側(つまり上司)は基本的に拒否できません。
時季変更権についての基礎知識
ではなぜ、「休めない」ような文化が出来上がるのでしょうか??
それは会社には「時季変更権」という権利があるからです。
細かい内容には触れませんが、ざっくりイメージでは、
会社の業務に重大な影響があるなら、有給の取得は「先送り」にできる権利
です。
この「先送り」がポイントです。
先送りして、退職日に到達してしまうと、有給の残が50日あろうが、その権利は消滅します(同時に、後からいろいろと請求する権利も消えます)。
ですので、退職日に合わせて最後の有給取得の権利を行使したい、というのが本音だと思います。
ところが会社と上司はそれほど優しくありません。
あの手この手を使ってあなたの労働力を効率的に使い切ろうと努力してきます。
例えば、以下の例が考えられます。
・「仕事は最後までやり切れ」
・「今までの教育等にかかる費用は〇〇だから、仕事でかえせ」
・「最終日はこの日で、それまでにこれやってね」
上記のうち、ちょっと厄介なのは最後のパターンかもしれません。
最終日について、合意ができてしまった場合、撤回するのは容易ではないです。
今日現在から退職日までの激務を前提とした業務付与が可能になるためです。
それに乗っては身が持ちませんので、ほかの面からの対応を考えてみましょう。
それでは、その1はこのへんで。
その2に続きます。
(ペンネーム:はんたー)