引き続き9月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。
なお、内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。
1.コロナ保険の販売休止(その1)
新型コロナウイルスの蔓延状況は予断を許さない状況で、(累積)感染者数の減少にはまだ至っていないと考えられます。
売れなくても困るし、売れすぎても(保険引受リスクなどの観点から)困るという点が、保険事業の難しさと言えるでしょう。
https://dsmart-ins.com/info/post_178/
なお、新聞報道によれば、保険料などを見直して再販売される模様ですので、お客さまのニーズがある限り、幅広い保障が提供されることを期待したいですね。
https://www.asahi.com/articles/ASP915RCJP91ULFA017.html
2.コロナ保険の販売休止(その2)
こちらは、新型コロナウイルスに特化した保険販売が終了したという記事ですが、保険料を見直すためではなく、もともと無償提供であり、基金上限(保険料相当額1億円)に到達したことが理由のようです。
なお、無償提供版は販売終了ですが、元の保険は販売継続とのことですので、お客さまにとっては安心ですね。
https://www.daido-life.co.jp/company/news/2021/pdf/210903_01_news.pdf
3.ワクチン接種で死亡保険金出ない?
衝撃的な見出しに、思わず目をとめた保険業界関係者も少なくなかったと思われますが、「事実無根のデマ」です。
SNSが発達すると、いわゆる“フェイクニュース”かどうかを見極める力が、ますます必要ですね。
投稿者の目線では、“ワクチン接種=薬物治験”とみなす余地があるのかもしれませんが、少なくとも、(危険ドラッグなどの)違法薬物接種による死亡とは全く“無縁”です。
もっとも、火のないところに煙は立たず、全く“無煙”とまで言い切れないかもしれませんが。
https://www.asahi.com/articles/ASP965GFNP96ULFA006.html
4.医療保険の販売停止
“「冷やし中華はじめました」はあっても、「冷やし中華やめました」はないだろう?”
以前、保険商品を売り止めにする際、報道発表するかを議論していた会議の場で、社長から言われたコメントです。
“販売停止の理由”は記載不要かもしれませんが、お客さまからみれば、代替商品の有無や(保険料を変えた)販売再開時期などの情報もあれば、より一層の安心感が得られるかもしれませんね。
https://www.aflac.co.jp/info/kenkououen_teishi.pdf
5.『W>ΣP』の必要年数
商品開発部門の経験があるアクチュアリーであれば、例えば、終身保険や養老保険などにおいて、解約返戻金が既払込保険料相当額を上回るためには、相当の年数が必要との感覚をお持ちかと存じます。
このような感覚の下、「5年で解約返戻金額が既払込保険料相当額を上回る」という商品設計は、とても魅力的ですね。
さらに、危険保険金額を抑制し「告知不要」とされた点も、手軽に加入できる対策として極めて有効だと思います。
https://www.sumitomolife.co.jp/about/newsrelease/pdf/2021/210903.pdf
6.がんの定義
がん保険の商品開発に従事された方は、『病理組織学的所見(生検)』という用語には、なじみ深いものと思われます。
今年8月、笑福亭仁鶴さんが『骨髄異形成症候群』のために逝去されたニュースを拝見し、がん保険の普通保険約款を思い出しました。
特に、同約款の『別表』について、主務官庁と議論した際、ICDのCコード以外(例.骨髄異形成症候群:D46)にも悪性新生物に該当するものがあると知って、とても勉強になった記憶があります。
お客さまにとって、より分かりやすい約款に仕上げることも、保険会社の重要な使命ですね。
https://www.himawari-life.co.jp/-/media/himawari/files/company/topics/2021/a-02-2021-09-06.pdf?la=ja-JP
7.がんに特化した団体保険
個人保険はもちろん、団体信用生命保険などでも、がん保障などの生前給付型が台頭していますが、団体保険としても登場した模様です。
特に、総合福祉団体定期保険のヒューマン・ヴァリュー特約のように、企業の諸費用(例.代替人材確保費用など)もカバーする点が、いかにも団体保険という感じがします。
余談で恐縮ですが、その昔、会議資料で「ヒューマン・バリュー特約」と書いてしまい、上司にこっ酷く叱られた記憶があります。それ以来、英語のBとVをカタカナに翻訳する際、常に細心の注意を払うように心がけているのですが、ファストフード店などで、“バリューセット”などの表示を見るたび、思わずニヤケテしまいます。
https://www.meijiyasuda.co.jp/profile/news/release/2021/pdf/20210922_01.pdf
8.課長職を立候補制に
部長職に立候補制を導入した会社が、来年から課長職にも同制度を導入する模様です。
特に、年齢や在籍年数にかかわらず誰でもチャレンジできるようで、年功序列と対極の立候補制がどの程度浸透するか、とても興味深いところです。
「45歳定年」、「週休3日制」や「副業解禁」など、従来の枠組みに固執することなく、柔軟に対応できる会社が生き残る時代になりそうですね。
https://www.fnn.jp/articles/-/240375
9.45歳定年制!?
“プロ経営者”からの衝撃的コメントが世間を騒がしているようですが、企業の退職金や退職年金で定年後の面倒をみてくれるのであれば、喜んで45歳定年したいと考える方々は大勢いるようにも思えます。(もちろん、私もその一人です!)
あとで『釈明』することをなんでつぶやくの?と、いつも疑問に感じるのですが、経営はプロでも、SNS利用はプロではないようですね。
同じく、“プロ経営者”からゴルフクラブで殴打された“美しき・悲しきシンガー”がとても心配です。がんばれブロークン・ハート!
https://mainichi.jp/articles/20210910/k00/00m/020/253000c
10.高額療養費制度はなくなった?
ワクチン副反応で倒れ、2度にわたるICU治療と入院で、100万円を超える医療費がかかった模様です。
記事の中で、高額医療費制度の申請に触れられていますが、一時的な高額医療費の建て替えが生じる点は、是非、自民党総裁候補者の方々にも触れていただきたいですね。
https://news.yahoo.co.jp/articles/c94e8ffacb497afae489267e3b050d88e85e61c1?page=3
11.「午後の紅茶」で早期発見
早期発見が難しいと言われる「膵臓がん」が、なんと、「午後の紅茶」で早期発見できるようです!
https://news.tv-asahi.co.jp/news_economy/articles/000228136.html
小学校の工作などで大活躍する「液体のり」で、がん治療効果が向上というニュースもありましたが、身近な素材が私たちの生命を守ってくれるのは本当にありがたいです。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO54720630S0A120C2000000/
12.生命保険に関する全国実態調査
3年ごとに実施されている、「生命保険に関する全国実態調査(生命保険文化センター)」の速報版が公開されました。
募集資料、商品開発およびニュース/プレスリリースなど、幅広い活用が期待されますね。
https://www.jili.or.jp/press/2021/3672.html
13.障がい者に配慮した保険経営
「心身障がい者扶養者生命保険」や「知的障害者や発達障害者を対象とした少額短期保険」など、幅広い方々をお守りすることは、保険会社・保険業者における重要な使命です。
各社の取り組みが公開されることで、業界全体の商品・サービスの向上につながることが期待されます。
https://www.fsa.go.jp/common/about/research/20210916/20210916.html
14.3.3億円の賞金!
最後は明るい話題を。『望月さん』という苗字は静岡県に多いようですが、ABC予想を解決された『望月さん』もいらっしゃいますので、数学界でもここ数年で一躍有名なお名前になったかもしれませんね。
https://www.j-cast.com/trend/2021/09/16420349.html?p=all
それにしても、ノーベル賞に『数学賞』がないことは残念です。ノーベルの恋敵が数学者であったという説もありますが。。。
いかがでしたか。新型コロナウイルスの新規感染者数も落ち着きを取り戻し、比較的穏やかなニュースが多かったように感じました。選挙の話題が連日、ワイドショーを賑わしていますが、新体制に向けた期待感あふれる日が続くことを祈念しております。
(ペンネーム:活用算方)