Σ(シグマ記号)や∫(積分記号)など、数学には色々な記号が登場します。
アクチュアリー試験科目の1つである「生保数理」は、平成11年度まで「生命保険数学」という名称でしたので、もちろん数学の一種です。
数学である以上、色々な記号が出てきます。特に、生保数理を初めて勉強される方は、まず、記号を覚えるところから始めなければなりません。
しかし、紛らわしい記号も登場します。例えば、以下の5つの記号の違いを理解することは、生保数理合格への第一歩ですが、これらの違いが分かりますか?
(\(A_{30}\hspace{2pt},\hspace{2pt}a_{30}\hspace{2pt},\hspace{2pt}\ddot{a}_{30}\hspace{2pt},\hspace{2pt}a_{\overline{30}|}\hspace{2pt},\hspace{2pt}\ddot{a}_{\overline{30}|}\))
歴史の年号などを、語呂合わせで覚えた受験生の方も少なくないと思いますが、生保数理の記号も例外ではありません。
例えば、生保数理の教科書には、基本的な記号である「計算基数」が6種類(\(D_x\hspace{2pt},\hspace{2pt}N_x\hspace{2pt},\hspace{2pt}S_x\hspace{2pt},\hspace{2pt}C_x\hspace{2pt},\hspace{2pt}M_x\hspace{2pt},\hspace{2pt}R_x\))登場しますが、これらをダンスはこまると覚えてしまうのも1つの手です。
本来の定義は、D→N→S、および、C→M→Rという感じで、左を加えると右になるというルールです。(ΣD=Nなど)
しかし、これらをタテに並べて、
D N S
↑ ↑ ↑
C M R
としてみると、下から上に向かって、アルファベット順に並んでいます。
これで、6種類の記号を一気に理解できますね。
計算基数を用いれば、色々な生保数理記号を表すことができます。
例えば、定期保険の一時払純保険料(\(A^1_{x:\overline{n}|}\))と生命年金現価の一時払純保険料(\(\ddot{a}_{x:\overline{n}|}\))を、計算基数で表すと、\(A^1_{x:\overline{n}|}=\frac{M_{x}-M_{x+n}}{D_{x}}\) および \(\ddot{a}_{x:\overline{n}|}=\frac{N_{x}-N_{x+n}}{D_{x}}\) となります。
これらは、試験に頻出の公式ですが、初学者にとっては、分子がMかNか混乱しやすい公式でもあります。
そこで、「年金(nenkin)のN」と覚えれば、\(A^1_{x:\overline{n}|}\) および \(\ddot{a}_{x:\overline{n}|}\) のうち、生命年金現価を表す \(\ddot{a}_{x:\overline{n}|}\) の方が、\(\frac{N_{x}-N_{x+n}}{D_{x}}\) になることが覚えやすいと思います。
生保数理に限らず、アクチュアリー試験は難しい試験ですので、このような語呂合わせを含めて、少しでも楽しく勉強することが長続きの秘訣です。