新年明けましておめでとうございます。
平成最後のお正月ですが、受験された方は、2月の合格発表まで少しゆっくりされているかもしれません。
しかし、今年は、ゴールデンウィーク10連休や10月22日(火)の祝日など、『今年限りの』休日が沢山ありますので、これらをフル活用した勉強スケジュールを早めに立てることが合格の秘訣になりそうです。
そこで、今回のコラムでは、これからアクチュアリー試験の勉強を始めようという方に向けて、筆者が実際に行った方法および友人から教えていただいた方法のうち、効果的と思われる具体的な勉強方法をご紹介いたしましょう。
※ コラムの性質上、『2018年2月19日(月)アクチュアリー試験の攻略法(二次試験編)(https://www.vrp-p.jp/acpedia/878/)』と重複する点があることをご容赦下さい。
1.アクチュアリーを目指す理由を明確にする
アクチュアリー試験に限らず、資格試験を受験する場合、『何故、自分はその資格を目指すのか?』という点を明確にする必要があります。これは自分自身を奮い立たせるだけでなく、就職・転職活動等で履歴書に志望理由を書いたり面接官から志望理由等を聞かれた場合に、落ち着いて堂々と自己アピールすることにもつながります。
是非、目指す理由を自分の言葉で言えるようにしましょう。
2.スケジュールを立てる
日本アクチュアリー会ホームページで公開されている『受験に関するFAQ(http://www.actuaries.jp/examin/faq.html#link06)』によれば、平均的な受験年数は、準会員が約5年、正会員が約8年のようです。したがって、長丁場に耐えられるようなスケジュールをしっかりと立てることが合格への第一歩となるでしょう。
特に、社会人の方は、突発的な業務や出張命令など、予期しない出来事で勉強時間が遮られる面も少なくないと思われます。
そこで、1週間のうち、勉強時間に充当できる時間がどれくらいあるのかを確認するところから始めると良いでしょう。ちなみに、司法試験のカリスマ講師である柴田孝之先生によれば、社会人の場合、(週休2日でも)1週間で確保できる勉強時間は30時間が限界のようです。
なお、祝日は敢えて勉強スケジュールを入れず、スケジュールの遅れを取り戻したり、スケジュール通りに進んだ場合の自分への『ご褒美』に当てても良いかもしれません。
ムリ・ムダ・ムラのない、余裕を持ったスケジュール作りから始めましょう。
3.受験科目の順番を決める
第2次試験は3つのコース(生保、損保、年金でそれぞれ2科目ずつ)に分かれていますので、例えば、生保コースの場合、商品開発部門にいれば『生保1』から、決算部門にいれば『生保2』から、といった感じで順番を決めるのが良いでしょう。
一方、第1次試験では、5つの科目(数学、生保数理、損保数理、年金数理、会計・経済・投資理論)のうち、どの順番から受験するかは重要です。
筆者の経験上、『数学と損保数理』、『生保数理と年金数理』は比較的相性が良いので、同時並行で勉強されると良いかもしれません。
また、証券アナリストや税理士・会計士などの資格と会計・経済・投資理論をセットで勉強することで、業務守備範囲を拡大するという方法もあります。
なお、難易度が受験年度によって異なるのも残念ながら事実ですので、勉強の進捗に関わらず、未受験科目を出来るだけ多く受験し続けるという姿勢も大切です。
自腹で受験料を負担している方にはキツイかもしれませんが、手元にお金がなければ、逆に、ついつい遊んでしまって無駄な時間を費やすこともないでしょう。良い意味で、自分自身を『拘束』するためのコストと割り切るのも1つの考え方です。
4.勉強会に参加する
社内および社外の勉強会を活用されることをオススメします。定期的に勉強会に参加することで、嫌でも(笑)勉強する姿勢が身に付きますし、勉強仲間を増やすことで試験に関する様々な情報や、つまづき易いポイントなどを共有できるチャンスも増えるでしょう。
特に、地方にお住まいの方は、インターネット上の交流サイトなどを活用すれば、物理的な距離が緩和できるでしょう。
いずれにせよ、勉強会講師に質問できるレベルに到達することが、特に、初心者が目指すべき最初の到達点と言えるかもしれません。
5.過去問を研究する
幸い、アクチュアリー会ホームページで、昭和37年度以降の過去問が、解答付きで公開されています。PDFファイル形式ですので、スマホやタブレットに保存して、気軽に閲覧できる便利さも大いに活用したいところです。
また、時系列で過去問を並べるだけで最近の出題傾向を探れますし、(第2次試験では)教科書や監督指針などにおける未出題の範囲をあぶり出すこともできますので、過去問をしっかりと研究することを、是非実行していただきたいと思います。
特に、過去問をExcelファイルなどでデータベース化しておけば、特定のキーワードで検索するだけで類題を簡単に抽出して効率的に学習でき、また、頻出問題を把握しやすいというメリットもあります。
6.教科書(の目次)を持ち歩く
理想的には、教科書などの教材を常に持ち歩いて、電車の待ち時間などで細目にチェックする習慣を身に着けたいところではありますが、やはり、分量があり重さもばかにならないので、常に携帯することは容易ではないかもしれません。
そこで、お勧めしたいのが、教科書の目次をコピーして持ち歩くことです。こうすれば、いつでもどこでも気軽に内容を暗記できますし、特に、教科書のどの辺りにどんなテーマが書かれているかが自然と記憶に残るようになります。そうすることによって、『情報を探すために沢山のページをめくる』という時間と手間が省けます。
また、コピーを持ち歩けば、最悪の場合、紛失しても再生できますし、コピー用紙の裏面を備忘録してメモ用紙にも使えます。その意味では、筆記用具も常備すべき必須アイテムと言えるかもしれません。もちろん、スマホ等のメモ機能を活用しても良いでしょうし、目次そのものを写メに保存してそれらを閲覧するという方法でも構いません。
7.合格体験記を書く
伊藤塾で有名な司法試験のカリスマ講師である伊藤真先生は、受講生に対して、まず初めに『合格体験記』を執筆させるところからスタートされるようです。(⇒
https://triad-management.com/%E5%8F%B8%E6%B3%95%E8%A9%A6%E9%A8%93%E3%81%AE%E3%82%AB%E3%83%AA%E3%82%B9%E3%83%9E%E8%AC%9B%E5%B8%AB%E3%81%8C%E6%95%99%E3%81%88%E3%82%8B%E3%80%8C%E6%88%90%E5%8A%9F%E3%81%99%E3%82%8B%E3%81%9F%E3%82%81/)
モチベーションを維持できるかどうかは、合否を分ける重要なポイントになりますが、『合格体験記』を書いてしまえば、もう後戻りはできません。
良い意味で、自分自身を追い込むストイックな姿勢も、特に、早期合格に不可欠な要素と言えるかもしれません。
いかがでしたか。今回ご紹介した方法のうち一つでも参考になるものがあれば、是非実践してみて下さい。また、『すべて知っている方法ばかりでつまらない』と思われた方は、自信を持って今の勉強スタイルを貫かれると良いでしょう。皆さまのご健闘をお祈りいたします。
(ペンネーム:活用算方)