今回のベルリン出張で、海外出張には様々なコツがあることが分かりました。
そこで、今回のコラムでは、これらのコツを幾つかご紹介しましょう。
1.搭乗時刻 or 出発時刻?
もちろん、ベルリンに空港は(2つ)ありますが、日本からベルリンには直行便がないため、途中で乗り換え(transfer)が必要になります。この写真は、スイスのチューリッヒで乗り換えるための航空券ですが、この搭乗券を持って、同空港内の掲示板で乗換便を探したところ、19時55分発が見当たらず、相当焦りました(泣)
幸い、掲示板の近くに係員らしき人がいたので、恐る恐る聞いてみると、『航空券に記載の時間は搭乗時間で、掲示板の表示時間は出発時間だ。つまり、出発の30分前の時刻である搭乗時刻が券面に印字されているんだ。』と優しい一言。
確かに、搭乗者からすれば、いつ出発するかよりも、いつから搭乗できるのか、という方が関心が高いのでしょう。
ちなみに、チューリッヒで乗り換える際、掲示板に「搭乗口(gate)F」とだけ表示されていたので、実際行ってみると、F1からF37まで、実に37箇所の搭乗口に細分化されていました。更に、どの搭乗口がどの目的地に対応するのかを表示するのは、搭乗1時間前になるまで表示されないという仕組みでした。
日本の航空システムに慣れすぎると、思わぬ落とし穴が潜んでいそうですね。
2.クレジットカード
地下鉄の切符購入もクレジットカードが使えますので、複数の会社のカードを準備されると良いでしょう。ただし、場合によってはカードが使えない場合もありますので、多少の現金を準備しておくことも重要ですね。
3.体温調節
国際線の飛行時間は10数時間に及ぶことも少なくありません。また、国際会議やセミナー等で大きな会場で数時間過ごす場合、冷房が強めに効いていることも多いです。
会場の場合、ジャケット等を着用すれば体温調節が容易ですが、機内の場合には、なかなかジャケットの着脱は難しい場合もあります。実際、私もジャケットを着用して飛行機に搭乗したところ、客室乗務員が「しわにならないように、ハンガーにかけますよ。」という親切心からか、ジャケットを奪っていきました(笑)
離陸前はそれほど機内の気温は低いと感じなかったのですが、離陸後しばらくして急激に寒くなりました。他の乗客たちは慣れた感じで手荷物バックから羽織るものを取り出して快適な空のたびを愉しんでおりましたが、当方はずっと毛布に包まっていました。写真は帰路に備えて現地で購入したものです。13ユーロ(約1,690円)でした。
4.コンセント
ドイツのコンセントは「Cタイプ」でして、円の直径の両端に差込みピンがある形状です。日本のコンセントから「Cタイプ」のみの変換プラグも販売されおりますが、世界150カ国以上で使用できる延長ケーブル付きのコンセントをAmazonで購入したのですが、大変重宝しました。
なお、ICAのスポンサーブースで、某コンサルティング会社が無料で同様のコンセント(ただし、ケーブルはなし)を配布していましたので、一番人気の記念グッズになっていました。
5.栓抜きとフォーク
日本食が恋しくなろうとの配慮から、妻がカップ麺をスーツケースに忍ばせてくれたのは良かったのですが、なんと、箸を入れるのを忘れました(泣)
しかも、ホテルの部屋には、コーヒー用のスプーンしかないため、現地でフォークを調達しました。
さらに、ビール好きのドイツ人は、「マイ栓抜き」を常に持ち歩いている兵(つわもの)がいるらしく、実際、缶ビールよりも瓶ビールの方が主流でした。結局、フォークとともに栓抜きも購入したおかげで、ドイツの夜を堪能できました。
6.洗濯事情
ハンカチ等の小物であれば、洗面所で手軽に洗濯できますが、流石に洋服やワイシャツ等はホテルのクリーニングを利用するのが無難でしょう。値段は張りますが。
当方は、Amazonで洗濯セットを購入したのですが、正直、洗濯ロープよりも、クリーニング屋さんでもらえる針金のハンガーが重宝しました。実際、とてもスリムなので、スーツケースの中でも場所を取りません。あと、小分けされている洗剤も便利です。洗面台にお湯を張って1時間ほどつけ置き洗いすれば、数回の洗濯に充分耐えられます。なお、日本の旅行用品売り場では、紙で出来た下着も販売されていましたが、着心地がイマイチだったので、使い捨ての便利さよりも、敢えて手洗いにチャレンジしました。
結果的には、毎回、柔軟剤を使ってくれる妻に、改めて感謝の気持ちを抱けました。まさに、海外出張は夫婦円満の秘訣ですね。
7.日用品いろいろ
普段から何気なく使っているもの、特に、寝室に置いてあるものは、持参すると良いでしょう。目覚まし時計も予備の電池と一緒に持参すれば、万一、ホテルの目覚ましやモーニングコールが使えない時などに重宝します。また、耳かき、爪切り、常備薬なども便利です。
さらに、意外とハサミも便利です。実際、ホテルの部屋に備え付けのインスタントコーヒーの袋を開けるだけでも、ハサミなしでは結構大変です。スーツケースに万能ナイフを忍ばせておくのも効果的かもしれませんが、手荷物検査等では注意しましょう。
8.地元のお店
出張中の滞在ホテル近くにある雑貨屋さんに行くことをおススメします。観光ガイドブックに載っている場所に行くことも悪くはないのですが、個人的には現地の人々と話したり、たとえ、話ができなくても現地の生活用品を眺めているだけで日本との違いが実感できて、良い経験になると思います。
ちなみに、「1ユーロショップ」がベルリンにありました。日本の100均ですね。
9.おもてなしの心
次回のICAは2022年にシドニーで開催されます。ICA会場では、様々な所でシドニーの宣伝がされていましたが、シドニーでは東京が案内されることでしょう。
一人でも多くの人に来日していただき、もっともっと日本の素晴らしさを理解していただけるよう、普段から不断の努力が必要なようです。
観光地で目にすることが多い、顔を出すタイプの写真スポットですが、シドニーでは、侍や相撲、歌舞伎などの写真スポットが登場するのかもしれませんね。
10.見える壁、見えない壁
1989年に大学生だった頃、ドイツ語の先生が大喜びした記憶が鮮明に残っています。
ベルリンの壁の崩壊でした。約30年後に自分が現地に行くとは夢にも思っていませんでしたが、意外と高さがない壁に、ある意味驚きました。無理に壁を越えようとして多くの人が命を落としたというニュースも衝撃的でしたが、乗り越えられそうな壁が、逆にそのような悲劇をもたらしたのかもしれません。
一方で、人種差別や経済レベルの二極化など、目に見えない壁を如何にして除去するかが、これからの重要課題ですね。
いずせにせよ、同じ地球に棲むものとして、差別や偏見をできるだけ排除することが、快適な海外出張&旅行を充実させる一番の秘訣といえるでしょう。
(ペンネーム:活用算方)