昨年12月の日本アクチュアリー会資格試験(以下、「アクチュアリー試験」という。)につきまして、2025年2月17日(月)11時頃に日本アクチュアリー会ホームページで合格発表が行われました。
合格された方は本当におめでとうございます。また、惜しくも合格に至らなかった方も諦めずに試験勉強を再開して、来年の今頃を笑顔で迎えられるようにしたいですね。
例年同様、合格者数および合格者受験番号のみが公開されましたが、合格率はまだ公開されておりません。ちなみに、昨年度の合格率は、2024年3月29日(金)に、同会ホームページの会員サイトで公表されましたので、今回も3月中に合格率が発表されるものと思われます。
そこで、今回のコラムでは、2025年2月17日(月)時点での公開情報に基づく推計合格率について、個人的見解も交えながらご紹介したいと思います。
1.科目別合格基準点および最低ライン
第1次試験(基礎科目)および第2次試験(専門科目)とも、資格試験要領(https://www.actuaries.jp/examin/2024exam/2024-H.html)『8.合格基準』に記載の合格基準点および最低ラインと同じ結果でした。
https://www.actuaries.jp/examin/2024exam/2024-goukaku.pdf
2.略算合格率の比較
略算合格率(=合格者数÷合格者受験番号最大値)について、昨年度(注)と比較すると下表のようになります。
なお、現時点で『受験者数』が公開されていないため、合格率の分母を『合格者受験番号最大値』としています。
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仮に、前回と比較して合格率が5ポイント以上乖離した場合を『難化/易化』の基準とすれば、上表から、今回の結果では、
・数学、生保数理、年金数理、生保1、生保2、損保1 ⇒ 易化
・損保数理、年金2 ⇒ 難化
した可能性があります。(それにしても、年金数理の合格率が驚異的ですね!)
3.推計合格率の比較
アクチュアリー会から公表されている合格率は、上述の略算合格率とは異なり、合格率を計算する『分母』が『受験者数(=申込者数-欠席者数)』となります。
そこで、昨年度の実績(アクチュアリージャーナル第127号:事務局からのお知らせ)に基づき、今年度の合格率を推計すると下表のようになります。
2.と同様の『難化/易化』の基準を前提にすれば、上表から、今回の結果では、
・数学、生保数理、年金数理、生保1、生保2、損保1 ⇒ 易化
・損保数理、年金2 ⇒ 難化
した可能性があります。(やはり、年金数理の合格率が驚異的ですね!)
いかがでしたか。前回同様、欠席率について調べてみると、下図のような状況で欠席率がおおむね増加しています。CBTとなり受験会場の多様化で、2022年度は欠席率が低下していたのですが、残念ながら、2023年度は増加に転じた可能性が高いようです。
受験料が、本当に勿体ないですね。
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(ペンネーム:活用算方)