難解な英語文献もラクに読める!新型コロナ後の超過死亡率


生成AIの登場で、英語文献を読むスピードが飛躍的にアップしています。「新型コロナの後、死亡率はどうなっているのか?」というアクチュアリーが気になるこのテーマ。今回は、ChatGPT 4oと「The future of excess mortality after covid-19」を使って実践しながら解説します。

英語文献は、詳細を冒頭から終わりまで読むと時間がかかります。先に全体の概要を掴み、詳細まで読む価値がありそうなら、さらに細かく見ていくのがお勧めです。

まず、この文献をダウンロードします。そして、見出しを眺めて全体の流れを把握します。その上で、この文献をChaGPT 4oにアップロードした上で、以下のプロンプトを実行してみました。

この文章の情報に基づいて以下の項目を要約してください。
・どんなもの?
・世界の死亡率のトレンドは?
・日本の死亡率のトレンドは?
・超過指数の計算方法は?
・死因別にはどうやって検証した?
・将来の死亡率のドライバーは?
・将来死亡率はどうなる?
・議論はある?
・アクチュアリーが留意すべき点は?

以下はアップロードされた文書の要点を、質問に基づいて要約したものです:

どんなもの?

新型コロナウイルス(COVID-19)のパンデミックによる超過死亡率の影響を分析した報告書で、パンデミック前後の死亡率の変化や、将来の死亡率のトレンドとその要因を探ります。保険業界(特に生命保険および医療保険)に与える影響も検討されています。


世界の死亡率のトレンドは?

  • 多くの国でパンデミック中に死亡率が上昇。
  • パンデミック後も、死亡率は依然として基準値を上回る国が多い。
  • 国ごとの対応(ロックダウン、予防措置、ワクチン接種)によって、死亡率のピーク時期や減少速度に差異がみられる。
  • 将来的に超過死亡率は減少が予測されているが、一部国では2033年まで影響が続く可能性。

日本の死亡率のトレンドは?

  • 日本の超過死亡率は他国と比べて低いものの、2020年にはゼロ近くから徐々に増加し、2023年にピークに達した。
  • 主な死因は呼吸器感染症や循環器疾患だが、他国に比べて死因の偏りは少ない。

超過指数の計算方法は?

  • 超過死亡率とは、実際の死亡数が「期待される死亡数(基準値)」をどれだけ上回るかを表します。
  • 基準値は以下の方法で算出:
    1. 過去の死亡数を基にした線形予測。
    2. 過去の死亡率を年齢別に予測する方法(例:Lee-Carter Cohortモデル)。
  • モデルの選択や改善率の仮定により結果は異なる。

死因別にはどうやって検証した?

  • 死因データを2020年以降に分解し、パンデミック前(2018–2019)の基準値と比較。
  • 主な死因は呼吸器疾患(COVID-19)、心血管疾患(特に米英)で、初期のデータには死因の誤分類が含まれていた可能性が高い。
  • 後年では他の死因(がん、神経疾患など)にも影響が広がっている。

将来の死亡率のドライバーは?

  1. 呼吸器感染症:COVID-19の長期的な影響、インフルエンザなど。
  2. 循環器疾患:COVID-19後遺症の影響。
  3. 生活習慣と代謝健康:肥満、糖尿病、運動不足の悪化。
  4. 医療の遅れ:診断・治療の遅延が長期的な健康に影響。
  5. 社会経済的要因:低所得層への影響や経済変動。

将来死亡率はどうなる?

  • 楽観シナリオ:2028年までに死亡率はパンデミック前水準に戻る。
  • 悲観シナリオ:死亡率の上昇は2033年まで続く。
  • 改善のカギは医療技術(例:GLP-1薬、早期がん検出技術)の進展と、健康的な生活習慣の促進。

議論はある?

  • 死亡率の基準値設定や予測方法の違いにより結果が変動。
  • 死因の誤分類問題が長期的な分析に影響。
  • 社会的要因(ロックダウン、経済回復)が健康に与える長期的影響への懸念。

アクチュアリーが留意すべき点は?

  1. 基準値設定の影響:死亡率予測のモデル選択による差異を考慮。
  2. 保険設計の影響:長期的な死亡率トレンドが保険商品の価格設定やリスク管理に及ぼす影響。
  3. データの精度:死因データの一貫性と正確性を重視。
  4. 新技術のモニタリング:医療技術の進展を考慮した予測更新。

ご不明点や追加の分析が必要な場合はお知らせください。

いかがでしょうか。実際に、英語文献を使って3分リーディングをやってみました。もちろん細部を確認するには原文にあたる必要があります。でも、概要を把握するには、この程度でも十分ではないでしょうか。限られた時間でなるべく多くの英語文献に触れるためには、AI活用が欠かせない時代になってきました。

(ペンネーム:ceraverse)

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