気になるニュース(2024年11月)


10月に引き続き11月に気になったニュースを幾つかピックアップいたします。
内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。
スケジュールの関係で、10月下旬のニュースが含まれている場合がありますことを何卒ご容赦ください。

1.突然の倒産!?

一般的な企業倒産は、いわゆる“2回目の(約束手形の)不渡り”であることが知られていますが、これ以外にも様々な理由で倒産に至ることも少なくありません。
特に、生命保険会社の「倒産(=破綻)」をどのように判定するかについて、様々な意見があり、アクチュアリー第2次試験(専門科目)で「生命保険コース」を受験された方は、教科書の該当部分を読まれた経験があるかもしれませんね。
https://toyokeizai.net/articles/-/837532

なお、前社長曰く、“破綻を報道で知った”とのことですが、消えた『300億円』の行方と併せて、今後の成り行きが大いに注目されます。

https://news.yahoo.co.jp/articles/b8a5af4d592ab68260b06fb32e8fb1a5418851b5

2.終身雇用の崩壊!?

ここ数年、いわゆる“7%ルール(←保険会社の最低課税ルールではありません(笑)”のブームで、新社会人の給与水準が大幅アップを遂げているようですが、ついに、大手生保における大きな“リストラ”が登場した模様です。
報道によれば、勤続15年以上かつ50歳以上が対象で1,000人募集とのことです。
https://jp.reuters.com/business/7XDHN7AABZKM3II6QMD27IEWZY-2024-11-14/
個人的に注目したのは、“通常の退職金に基本給の最大48カ月分を上乗せ”、“再就職も支援”という点で、うまくいけば、定年退職よりも退職金の大幅増が期待できるかもしれません。

また、再就職支援という点では、メガバンクなどで慣例の“役職定年”、“グループ会社(例.カード会社など)への出向”といった、90年代のサラリーマンのバイブルとも言うべき“島耕作”を彷彿とさせる出来事が、保険業界にも進出しつつありますね。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2024111400932&g=eco

奇しくも、“103万円の壁”の見直しで退職金課税の見直し(増税)もニュースになりましたので、アクチュアリーを含め、スキルアップしながら少しでも優良な会社やポジションを目指す生き方が必須となる時代ですね。

3.個人情報漏洩

生命保険会社18社で延べ42万件超の情報漏洩があった模様です。
具体的には、保険会社から出向の形で保険代理店に勤務している者から情報が漏れていたようです。
BIGMOTER社の不正事件も記憶に新しいところですが、現段階では、損保で発覚した他社の契約者情報を営業に使う行為は確認されていないとのことですが、消費者からみれば、たとえ営業行為に利活用されなくとも、自身の与り知らぬところで個人時報が漏洩すること自体に怒りを覚えるかもしれませんね。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241115/k10014639881000.html

4.詩人の御逝去

谷川俊太郎氏が逝去されましたが、大女優の岸田今日子氏と親戚関係(谷川氏が岸田氏の義兄)にあることはあまり知られていないようです。
かくいう筆者も、某生命保険会社のディスクロージャー資料で、谷川氏の“ポエム”を見つけたとき、偶々ご一緒した某週刊誌記者から、“このポエムのタイトルは?”と聞かれ、シドロモドロになった苦い想い出があります。

後日、広報担当に事の真相を訪ねた際、“これは谷川先生が○○生命のために特別に作成された詩だから(詩集の)タイトルはない”と言われ、その後、某BSの番組で両者が対談された際、“詩人といえども飯が食えなきゃどうしようもないんだよね(笑)”と谷川氏がコメントされたこともあり、未だに強く深く記憶に残っています。

幸い、同社CM資料が今も閲覧できるようですので、故人を偲びながら古き良き時代の余韻に浸るのも良さそうですね。合掌。
https://www.tcc.gr.jp/copira/id/20673/

余談ですが、IT時代を意識して、「カラーテレビ」を「パソコン」に置き換え、ポエム自身を改定された噂も耳にしました。まさに“時代に即したポエム”を遺す力も詩人としての度量かもしれませんね。

5.「自爆営業」はパワハラ!?

正直、この記事を見たとき、“俺の90年代を返せ!!”と思わず怒りがこみ上げてきました。営業研修という名のノルマ達成に冷や汗をかいた苦い記憶が鮮明に蘇ります。
昭和・平成以上にコンプライアンスが強く叫ばれるようになった令和の時代では、ある意味で当たり前の対応なのかもしれませんが。

ノルマ達成できない自腹で契約を結ばせることは言語道断ですが、残念ながら、現在の法規制では直接規制するものがないことも背景にあるようです。
記事にある通り、「自爆営業は昔からあり、企業発展のための『必要悪』と黙認されてきた」との談話は、特に、自爆営業で自殺に追い込まれた御遺族からみれば、許しがたい蛮行と言えますね。

https://www.jiji.com/jc/article?k=2024112500786&g=eco

6.戦争対応マニュアル

もしトラ(またトラ?)が世界的に見た場合の今年の流行語大賞かもしれませんが、「もし戦争になったら」を発行せざるを得ない国もあるようです。
全在留外国人も対象に12月初めまでに配布予定とのことですので、事の重大さ、切迫感・緊張感がひしひしと伝わってきますね。
今年3月にNATO加盟を果たしたスウェーデンの立場は、決して他人事ではないことを、そろそろ実感すべき時期が到来しているようにも思えます。

学生時代に恩師から頂いた貴重な言葉です。
“薬漬けで辛うじて健康維持することは健康と言えず、核兵器保有で辛うじて平和維持することも決して平和とは言えない”
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/85131

7.過度なキャッシュレス化?

地上波の情報番組でコメンテーターをされていた有名な社会学者が、“SuicaやPASMOが使えないので地方に行きたくない”という趣旨の発言をして“大炎上”した記憶があります。(←この方は選挙特番で相手を立腹させてしまうことでも有名!)
一方、筆者の実家がある四国の某都市では、私鉄の電車・バスで独自の電子マネー(高島屋カードによるオートチャージ機能付き)導入で、大都市圏と遜色ないレベルのスムーズな移動手段が確保されていますので、上記の“ご指摘”には、幸い該当しないようです。

残念ながら、国際的にみると“過度な”フィンテックを導入するがあまり、高齢者などから「クレジットカードも現金も使えない」との苦情が出る巨大国家もあるようです。
折角の「短期滞在ビザ免除」で追い風となるはずの海外旅行者に水を差す結果となっている一面がありますが、地下鉄にも気軽に乗車できないシステム設計は、果たして成功と言えるのか甚だ疑問です。
https://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2024/11/23/2024112380006.html

いかがでしたか。いよいよ年末が近づいて来ましたが、地震に加えて豪雨や(季節外れの)台風など自然災害が懸念される年になりましたね。12月は日本アクチュアリー会資格試験が開催されますが、一人でも多くの専門人材を育成することで、気候変動リスクはもちろん、地政学リスクにも大いに力を発揮して欲しいと切に願う今日この頃です。

(ペンネーム:活用算方)

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