気になるニュース(2024年10月)


9月に引き続き10月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。
なお、内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。
また、スケジュールの関係で、9月下旬のニュースが含まれている場合がありますことを何卒ご容赦ください。

1.5類移行後のコロナ死者(3.2万人/年)

2023年5月に、新型コロナが5類へ以降され、例えば、保険商品の支払事由(例.自宅療養等)に大きな変更がありましたが、その一方で、移行前に連日報道されていた感染者数のニュースも殆どなくなり、あたかも感染者がゼロになったかのような錯覚を抱く方もいらっしゃるかもしれません。

しかし、現実には、季節性インフルエンザの15倍の死亡率であり、2023年5月~2024年4月の1年間で、新型コロナによる死亡者数が32,576人に上った模様です。
なお、年齢別では、65歳以上の死亡者がかなりのウエイトを占めるようですが、年齢を問わず、手洗いやうがい、マスク着用など、身近にできることを当たり前のように実行していく必要がありますね。
https://youthtrendlab.net/entry/covid-death-statistics-2024

2.地銀にテスト

イセトー等、サイバー攻撃により個人情報が流出する事件が相次いでいますが、今般、金融庁主導で一部の地域金融機関に疑似的サイバー攻撃を実施し、セキュリティー体制を検証するテストが実施される模様です。
メガバンクに比べて、まだまだ(?)行数が多い地銀等も、外債投資で金利上昇による含み損に悩む経営態勢にある中、サイバー攻撃に晒される状況を勘案すれば、主務官庁としても看過できないのかもしれません。

同テストの結果次第では、メガバンク同様、地銀での合従連衡の機運になりかねませんが、現実的に似たようなIT投資を多くの地銀が行うより、幾つかのグルーピングで効率の良いIT投資を目指した方が、中長期的視点で利用者の利便性向上に資するようにも思います。
もちろん、監督側からみても数多くの銀行を相手にするより、ある程度「数」を絞った方が監督しやすい面もあるかもしれませんが。
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUB208DZ0Q4A920C2000000/

3.「人生100年」時代は来ない!?

生命保険のニーズ喚起など、老後に必要な生活資金の試算等でよく耳にする『人生100年時代』ですが、米国の研究でそんな時代は来ないという結果が出された模様です。
もともと、『人生100年時代』という言葉が独り歩きしている感がありますが、正確にいうと、21世紀の特定年以降に生まれた人のうち二人に一人が100歳に到達する可能性があるというだけに過ぎず、必ずしも全員が100歳まで生きるという訳では決してないようです。

マスコミにおかれては、もう少し正確な報道に努めて欲しいものですね。
https://topics.smt.docomo.ne.jp/topnews/world/999/24b10199e5c17c335a41e1571066002b?redirect=1

4.48時間で完成する住宅

能登半島地震でスタートした2024年もあと2か月程度となりましたが、同地域では、9月の大雨でも大変な被害となり、激甚災害指定されたところでもあります。
そんな中で、明るいニュースが石川県珠洲市で披露されました。

具体的には、約48時間で完成する3Dプリンターで作られた住宅でして、日本初の偉業であり、2人暮らし用の場合、50平方メートルという十分な広さで、木造建築と異なり、70年近くの耐用年数も非常に魅力的です。
しかも、550万円という低価格も魅力的ですし、材料費・人件費の高騰が叫ばれる中、避難用に限らず、平時の居住用としての用途にも大いに期待されますね。
https://www.ishikawa-tv.com/news/itc/00003297

5.人類と核兵器は共存できない

ノーベル平和賞が日本被団協に授与されました。
ウクライナ情勢等で核兵器使用が危ぶまれる中、我が国の過去の苦い経験を慮ったノーベル平和賞の選考委員会に、改めて深く敬意を表します。
原子爆弾、原発事故等、常に「核」と対峙させられてきた日本だからこそ、世界平和の先頭に立って核兵器廃絶に貢献すべきと考えます。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20241012/k10014608041000.html

6.「軽率な判断だった」とおわび

漫画家の弘兼憲史氏の代表作である「島耕作」内での一場面が物議を醸した模様です。
具体的には、10月17日発売の漫画雑誌「モーニング」で掲載された「社外取締役 島耕作」の中で、某基地建設への抗議者が「日当をもらっている」との表現が描かれたようです。
もちろん、執筆者として現地での取材に基づき、かつ、フィクション作品である点を考慮しても、軽率な判断だったとの謝罪に至った模様です。
https://www.okinawatimes.co.jp/articles/-/1456396

不謹慎な言い方かもしれませんが、単行本でが修正される見込みですので、気になる方は「モーニング」現物を今のうちに入手されると良いかもしれません。

なお、同様に連載漫画の内容で作者等が謝罪に追い込まれた事例は多々ありまして、例えば、『国が燃える(南京大虐殺の描写)』や『美味しんぼ(福島原発と鼻血)』等、政治的および歴史的見解・事実認識に対するものが本件のような類型と言えるかもしれませんね。
https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%9B%BD%E3%81%8C%E7%87%83%E3%81%88%E3%82%8B
https://www.buzzfeed.com/jp/satoruishido/sayonara-oishinbo
https://www.youtube.com/watch?v=5Nh8JRfuMhM(2:14~チェルノブイリ原発)

7.無罪確定

いわゆる「袴田事件」のやり直し裁判での無罪判決も明るい話題ですね。もちろん、袴田巖さんご本人にとっては、捜査機関が捏造した証拠に基づくいわれなき罪で、大変貴重な大きな時間・自由を奪われたことは、全く明るいどことではないかもしれませんが。

その後、幸いにして(=当然にして)静岡県警トップによる謝罪(といっても、トップが出生する前の事件)で安堵の表情を浮かべられたニュースにホッとさせられましたが、その一方で、検事総長の“心なき”冷徹なコメントは、くれぐれも(上層部等から強制的に)言わされたものであって、ご本人の心からのコメントでは決してないことを祈るしかありませんね。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1476747?display=1
https://www.nikkan-gendai.com/articles/view/life/361898

8.2025年からの固定電話

2007年10月の郵政民営化に携わった者として、この「ユニバーサル・サービス」という単語には、感慨深いものがあります。
NTTの固定電話網が、2025年1月までに従来のアナログ回線からIP網へと転換される模様です。通話料金の全国一律化等の実現も期待される見込みですので、スマートフォン等との適正な競争による利用料金の値下げも期待したいところですね。

なお、NTTにはNTT法に基づく「ユニバーサルサービス」として『固定電話の安定提供』が義務付けられているようで、一部地域では引き続き「アナログの固定電話」が残る可能性もあるようです。
なお、IP電話という単語は、筆者の大好きな『朝まで生テレビ』の意見募集時にアナウンスされる印象がありますが、固定電話廃止と郵政公社廃止の共通点等も探ってみたいと考えております。(いずれも総務省管轄というのも興味深いところです)
https://otona-life.com/iphone-android/245315/

9.免許を持たずに試験問題作成

料理評論家の服部幸應さんが亡くなられました。
「服部栄養専門学校」の理事長・校長であり、特に、フジテレビ系の「料理の鉄人」等で一躍有名になった方ですが、同番組が放映されている最中、某週刊誌から、「調理師免許の試験問題の作成者が調理師免許を持っていなかった!」というセンセーショナルな見出しが躍っていた頃が懐かしく思われます。
https://hochi.news/articles/20241005-OHT1T51250.html

「料理の鉄人」で活躍された「フレンチの鉄人」である坂井氏からの追悼コメントも泣けてきます。
https://www.sponichi.co.jp/entertainment/news/2024/10/07/kiji/20241007s000413H4051000c.html
流石に、アクチュアリー正会員資格がない人が試験問題を作成することはないように思われますが、単なる「正会員」ホルダーよりも、実務の細かな点まで熟知されている「非正会員」の方が、もちろん、実務で重宝されることは言うまでもありませんね。

10.6年ぶりの最大の素数

素数が無限に存在することは2000年以上前から知られた数学的事実ではありますが、19世紀を代表する数学者「リーマン」が登場するまで、具体的な「素数の数」を表すことはできていませんでした。
幸い、メルセンヌ素数と呼ばれる素数が、その後、相次いで発見され、今回の発見もこの素数です。
https://pc.watch.impress.co.jp/docs/news/1633453.html
https://www.newsweekjapan.jp/akane/2024/10/2136279841-1.php

なお、今回発見された素数は、実に『4,102万4,320桁』の数字ですが、筆者が大学院生だった1992年に発見された当時最大の素数は(僅か)23万桁に過ぎず、30余年の経過で飛躍的に桁数が増加したことも嬉しく感じます。
歯科クリニックの先生がマニアックなサイトを「開業」されている点が面白いです!
http://www.tamagaki.com/math/Mersenne.html

いかがでしたか。今月は、残念ながら、大山のぶ代氏、西田敏行氏等、著名な方々が逝去され心が痛む月となりました。華丸大吉さんの漫才ネタ『ドラえもんがいてくれたらなあ』を思い出しますが、たとえ、ドラえもんが実在せずとも我々が力を合わせて『核兵器のない戦争のない平和な世界実現』に向けて少しづつでも力強い一歩を踏み出す時代に突入したことを改めて痛感した月でもあります。

ノーベル平和賞の受賞がその一歩に大きな貢献を果たしたことは言うまでもありません。

 

(ペンネーム:活用算方)

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