2024年のアクチュアリー試験まであと数か月となり、受験生におかれましては、そろそろラストスパートに突入される時期かと存じます。
また、CBTによる試験がスタートしていますので、特に第2次試験(専門科目)が初受験の方は是非、体験版で、操作方法などを事前にチェックしておきたいですね。
そこで、今回のコラムでは、アクチュアリー試験のうち「第2次試験(生保2)」について、重要性が高いと考えられる論点を幾つかご紹介いたしましょう。
なお、当コラムに関連する過去のコラム(https://www.vrp-p.jp/acpedia/4302/、https://www.vrp-p.jp/acpedia/3675/、https://www.vrp-p.jp/acpedia/3262/、https://www.vrp-p.jp/acpedia/2371/)も併せてご覧いただけますと幸いです。
1.時事問題候補
以下の項目が第2次試験(専門科目)のうち、生保1および生保2における時事問題候補と考えられますので、未対応の場合は、優先的に取り組んでいただけますと幸いです。
1)金利上昇
2)経済価値ベースのソルベンシー規制
3)アフターコロナ
4)支払備金(例.IBNR備金の算定における新型コロナの影響除外など)
5)自然災害(例.地震・噴火・津波など)
2.保険商品審査事例集
金融庁『保険商品審査事例集』も、時事問題の宝庫ですので、是非、チェックしましょう。
特に、生保2に関連するものとしては、例えば、以下の事項が挙げられます。
1)令和6年6月:MVA、年金開始後の予定利率
2)令和6年2月:解約返戻金の削減
3)令和5年2月:外貨標準責任準備金において、積立利率が最低保証積立利率を上回った場合の評価、経験者保険料率の創設
5)令和4年1月:負値責任準備金に対する条件緩和、予定発生率の算出における経験データの信頼性、保険料払込免除保険料について、責任準備金の計算との整合性
3.監督指針
金融庁『保険会社向けの総合的な監督指針』については、第Ⅰ部(知識問題)で穴埋め問題を中心に出題可能性が高いようです。
特に、過去の改定内容が金融庁『監督指針等の一部改正に関する報道発表』(https://www.fsa.go.jp/common/law/index.htmlおよびhttps://www.fsa.go.jp/common/law/public.xlsx)で閲覧可能ですので、併せて確認されるとよいでしょう。
4.インシュアランス保険統計号(保険研究所)
毎年11~12月頃に刊行される冊子です。
しかし、大変残念ですが、いわゆる“内紛”のため、『インシュアランス生命保険統計号(保険研究所)』などの新規刊行が停止されている模様です。
なお、保険会社にお勤めの場合、勤務先で定期的に購入されている場合もありますので、閲覧しやすいかもしれませんね。
特に「主要概況」をご覧いただければ、直近1年間の保険業界の動きがコンパクトにまとめられていますので、時事問題のネタ探しにも有用です。
最新リンクは、以下の通りです。https://hoken-kenkyujo.co.jp/20221109-1/
5.生保・損保特集号(週刊東洋経済)
毎年10月下旬に刊行される冊子ですが、独自記事である「社長インタビュー」をご覧いただければ、各社が抱えている課題などにも触れることができますね。
特に、生保2については、ESR(経済価値ベースのソルベンシー規制等)に対する各社の動向(含む、内部管理指標の創設・改定)など、第Ⅱ部(論述問題)の解答にも応用できる内容が含まれる可能性が十分にありますので、試験勉強中の休憩を兼ねて、熟読しておきたいところです。
なお、上述の「4.インシュアランス保険統計号(保険研究所)」と同様、12月の試験本番に最新号の内容は反映されないものと思われますので、昨年以前のものを閲覧されることをおススメします。(昨年以前のもののリンクは、以下の通りです。)
https://str.toyokeizai.net/search/?topics_keyword=%E9%80%B1%E5%88%8A%E6%9D%B1%E6%B4%8B%E7%B5%8C%E6%B8%88+%E8%87%A8%E5%A2%97%28%E7%94%9F%E4%BF%9D%E3%83%BB%E6%90%8D%E4%BF%9D%E7%89%B9%E9%9B%86%29
6.文字数制限
昨年度の第2次試験では、論述問題における「文字数」について、生保1および生保2でルールが異なりました。具体的には、生保1では「●●文字程度」で、生保2では「●●文字以内(←目安ではない!)」となっていました。
なお、当コラムの出だしで紹介しました「CBT体験版」では「●●文字程度」とありますので、ご注意ください。
いかがでしたか。昨年のコラムでも触れましたが、アクチュアリー試験は直前になればなるほど、緊張感からか、なかなか集中できない日々が続く可能性もあります。今回ご紹介した内容をしっかりと押さえ、良い結果につながることを祈念しております。
(ペンネーム:活用算方)