気になるニュース(2024年7月)


6月に引き続き7月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。
なお、内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。

1.金融庁資料

ここ数年、6月下旬の金融庁公表資料としては、『経済価値ベースのソルベンシー規制』に関するものが定番でしたが、今年はどうも傾向(例.公表時期、内容など)が大きく異なるようです。
実際、一連の損保問題(例.BIGMOTOR社、東急・京急グループ談合など)により、いつぞやの「不払い問題」を彷彿とさせる事件が生じましたが、ついに、金融庁から、『「損害保険業の構造的課題と競争のあり方に関する有識者会議」報告書』が公表されました。

詳細は、当該報告書をお読みいただくとして、これらに共通するのは、「巨大な法人マーケット」、「大手社の寡占状態」および「長年の馴れ合い」といった辺りが諸悪の根源(失礼!)かもしれませんね。
https://www.fsa.go.jp/news/r5/singi/20240625.html

2.「テリトリー制」見直し

日本損害保険協会の新会長が朝日新聞の取材に応じられた模様です。
具体的には、自動車ディーラーなどの店舗で、特定の損保1社の保険を顧客に推奨する慣行「テリトリー制」を見直す考えが示されました。
以前、損害保険ご出身の方のセミナーに参加した際、損保の法人営業としては、損害保険募集と引換えに、その会社の商品・サービスの拡販業務を(無償で)協力しなければならないという趣旨のコメントをいただけました。
なお、当該協力は保険業界に限らず、例えば、家電量販店などでメーカー側から(無償で)商品販売従事者を募り、その売り上げに応じて製品の陳列位置などを与えるという、何とも市場原理から大きく乖離した業界慣行が行われている模様です。

もっとも、家電量販店でさんざん商品説明だけを聞きながら、最終的な購買行動を(より価格の安い)WEBで行うという、これまた一種の“不義理に満ちた”消費者行動にも、その要因があるかもしれません。
なんとも世知辛い世の中ですね。
https://www.asahi.com/articles/DA3S15969975.html?iref=pc_ss_date_article

3.動機は?

プロ野球選手に殺害予告を行った疑いで、大手生命保険会社の元社員が逮捕された模様です。
具体的には、某インターネット掲示板に、プロ野球選手の個人情報が記載された写真と暴言を投稿したことで、当該球団の業務妨害(威力業務妨害)が逮捕容疑のようです。
「いっぱいやりすぎて覚えていない」との供述にも呆れるばかりですが、そもそも、個人情報を扱う部署において、スマホなどの私物が持ち込めてしまうこと自体、事務リスクを誘発させてしまうように思います。

なお、被疑者と当該選手とは面識がなかったとの報道もありますので、結局、本事案の目的が何なのか?単なる愉快犯的行動なのか?今後の捜査内容が注目されます。
https://www.chunichi.co.jp/article/925183

4.生命保険と気候変動リスク

21世紀の課題として『気候』や『環境』が叫ばれる中、ウクライナ・中東紛争などの地政学リスクを含め、複雑に絡み合った時代は当面続きそうです。
また、気候変動リスクとは無縁の生命保険業界においても、デング熱などの熱帯性感染症の蔓延は、無視できない存在となりつつあります。
残念ながら、「デング熱」が世界で大流行し、今年の患者数が1000万人を超えた模様ですが、新型コロナと同様に大流行が懸念されますが、特に、デング熱には特効薬がないようですので、如何にして『予防』に徹するか?が問題解決のカギとなりそうですね。

なお、デング熱予防のためには、蚊に刺されないことが最も重要なようで、外出時には虫よけ剤の使用が推奨されるようです。
また、“虫よけ剤は日焼け止めを塗る前に使用すると効果が半減するため、日焼け止めの後に塗ることを心掛けましょう。”という部分も、海水浴の時期には非常に貴重なメッセージと言えるでしょう。

https://mainichi.jp/articles/20240711/k00/00m/040/230000c

5.言論封殺と政治的公平性

トランプ氏銃撃事件は世界中に衝撃を与えましたが、こともあろうに、在京キー局のメインキャスターによる放送法逸脱(政治的公平性)の疑いが懸念されます。
なお、(当時の)衆議院の大串先生によれば、“放送法第四条第一項第二号の規定により、放送事業者は放送番組の編集に当たり政治的に公平であることが求められています。この政治的に公平であるとは、政治的な問題を取り扱う放送番組の編集に当たっては、不偏不党の立場から、特定の政治的見解に偏ることなく番組全体としてのバランスの取れたものであることと従来解釈されてきたところです。”
https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a190125.htm

もちろん、キー局のメインキャスターと雖も、有権者であることに変わりませんので、個人的な意見を妨げる必要はありませんが、少なくとも、生放送での発言については、放送法に反すると誤解されないように配慮する必要があることは、プロとしての当然の心構えのように思われます。
もっとも、番組コメンテーターから「変な話だが、大統領選挙に有利になる可能性あり」とのコメントを直前に言われてしまったことで、私人としてのご意向が優先されたのかもしれませんが。
https://www.tokyo-sports.co.jp/articles/-/309348

6.世界的システム障害

今月19日(金)の午後、筆者は「テレワーク」で自宅からオンライン・ミーティングに参加していましたが、突然、パソコンが起動しなくなり、大いに焦りました。
その後、緊急連絡網で上司から連絡があり、“世界的システム障害が起きた模様”との内容をみて、どこまで影響が拡大するのだろうと一抹の不安を覚えた次第です。
幸い、パソコン自体は週明け月曜日(22日)午前中に無事復旧しましたが、本件の原因がサイバーテロ攻撃などではなく、単なる『ソフト更新が原因』という記事を拝見し、意外と大規模リスクは通常のルーチン業務で発生するのかも?と改めて痛感されられました。
https://jp.reuters.com/markets/commodities/G4API2AGQNOKJBOE35KTE66QJ4-2024-07-19/

なお、本件障害に伴い、保険金(損害賠償金)の請求が懸念され、今回の事態による経済的損害は数百億ドル規模に達する可能性があるとの報道もあり、リーマンショック以来の巨額損失事件に発展する可能性があります。

7.公平なる選挙活動とは?

史上最多となる56名の候補者が立候補された『東京都知事選』でしたが、実に、56人のうち53人が供託金を没収されるという異常事態になりました。
300万円という供託金額が今の時代には合わないため、一部では、3,000万円に引き上げるべきとの意見もあるようですが、そもそも、ポスター掲示板を金儲けの道具にすること自体が政治の私物化と言われても仕方ないのかもしれません。

もっとも、“クリアファイルと画鋲”でポスターを張らざるを得ないという極めて幼稚な対応そのものに大いなる課題があるようにも思います。
https://www.nhk.or.jp/shutoken/articles/101/008/22/

いかがでしたか。今月は、都知事選や米国大統領選など、何かと政治が話題になった月でしたね。また、世界的規模のPC不具合や新幹線運休、茨城方面の地震など、様々なリスク・イベントが同時発生する恐ろしさを改めて痛感されられました。某県知事の反対もあり、工事が難航するリニア問題ですが、一日も早い完成が望まれるように思います。

 

(ペンネーム:活用算方)

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