例年通り、日本アクチュアリー会から今年度の『資格試験要領』が同会ホームページで公開されました。
そこで、今回のコラムでは、同要領を初めて御覧になる方や受験経験の浅い方を中心に、見るべきポイントなどをご紹介いたしましょう。
なお、筆者は試験委員の経験がなく、推測に基づく部分が含まれることをご容赦ください。
1.資格試験要領の掲載箇所
日本アクチュアリー会ホームページのトップ画面から下にスクロールすると「ニュース」があり、左から3番目の「試験情報」をクリックすれば、同会試験に関するニュースを閲覧できます。
なお、“2024.07.01試験情報2024年度資格試験情報を掲載しました”と表示されているとおり、必ずしも『資格試験要領』という単語がトップ画面に登場するとは限らない点にご注意ください。
また、同会ホームページの「資格試験情報」をクリックしても『資格試験要領』にたどり着けますので、利便性を考慮して当該URLを「お気に入り」に登録しておくのもおススメです。
2.教科書の変更
試験本番に向けて、まず、教科書の変更有無をチェックする必要があります。
幸い、日本アクチュアリー会ホームページの「資格試験情報」をクリックして、下にスクロールすると、「試験科目・内容および教科書・参考書の昨年度からの変更点」が登場しますので、必ず目を通しましょう。
なお、生保数理のように『教科書(下巻)第15章団体定期保険』が出題範囲になった場合は、平成10年度(保険数学2)問題5をチェックするように、「出題範囲とみるべき過去問」がイメージできるくらい“過去問をやりこむ”意気込みで臨めば合格レベルと言えるでしょう。
3.教科書の無償配布
まず、『教科書の改訂』および『教科書の無償提供』でURLが異なる点に注意しましょう。
特に、『教科書の改訂』のリンクが分かりにくいという受験生の声を耳にしますので、こののURL(https://www.actuaries.jp/info/T20240214.html)をメモしておかれるとよいでしょう。
なお、電子データの開示で、教科書の文章などをテキストファイル形式で『コピペ』できるメリットがありますが、コピペできないものが含まれている可能性がありますので、その際は、スマホなどの文字認識アプリを利用されるとよいでしょう。
4.本人確認書類
試験当日の本人確認書類として、『1点のみで受験可能なもの(例.学生証、運転免許証など)』および『2点必要なもの(例.社員証+健康保険証など)』の2種類ある点に注意しましょう。
特に、学生証や社員証については、学校名・会社名の記載に加えて顔写真の印刷など、細かい条件もありますので、特に注意しましょう。
なお、2024年度から“2点組み合わせ”に使用できる書類に「住民票」が追加される模様ですので、本人確認書類の条件については、受験中は毎年チェックするとよいでしょう。
5.スケジュール
「資格試験情報」をクリックすると最初に『試験日程』が目に入りますので、受験科目の日程をまず押さえましょう。
最近、第2次試験(専門科目)は1~2日目の午前10時~13時が定着しつつありますが、第1次試験(基礎科目)は、月~金にかけて1日1科目ペースで実施されていた時期もあります。
したがって、同日の午前と午後とで第1次試験(基礎科目)を2科目実施するようになったのはごく最近のことですので、今後も、スケジュールに注意しましょう。
6.受験会場
受験票に、氏名および受験科目が正しく印字されているかはもちろんのこと、受験会場が正しく印刷されているかも必ずチェックしましょう。
実は、90年代の終わりに、筆者の同期が大阪勤務だった頃、誤って受験会場を東京にしてしまい、偶然、その受験生の実家が関東だったのため、会社のとりまとめ担当者もてっきり“冬休みを実家で過ごして受験するのだろう”と思い込んでしまい、さらに、受験票が到着した段階でも受験会場の誤りに気づかず、そのまま当日、大阪会場に行って初めて、自分の受験番号がないことに気付いたそうです。
幸い、2日目は東京で受験できたのですが、結果的に1日目の科目が無駄になり、来年受験し直しましたそうです。時間ロスはお金ロス以上に勿体ないことですね。
7.情報の保存
数年前までは、資格試験要領を含む情報はPDFファイルで提供されていましたが、現在は、同会ホームページの資格試験情報サイトでWeb閲覧のみとなりました。
一方、来年度以降の受験を考えた場合、昨年度からの変更点が同サイトで公開されるものの、ご自身で新旧対比表を作成し、変更点をより明確に把握された方が受験勉強がより正しい方向に進むようにも思います。
このため、例えば、Excelファイルなどに画像貼付する形で同サイトの画像を保存しておくことをおススメします。
いかがでしたか。資格試験要領も例年通りに公開され、いよいよ今年度のアクチュアリー試験が本格的に始動した感があります。一人でも多くの受験生の方が合格できるよう心より祈念いたしております。
(ペンネーム:活用算方)