気になるニュース(2024年6月)


5月に引き続き6月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。
なお、内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。

1.入院要件

20年以上前(平成15年頃?)になりますが、生命保険商品における「手術給付金」が「入院」を要件としなかったため、当該支払が急激な伸びを示したことから、それまでの88種類から1000種類の手術に拡大すると同時に「入院を要件」とする改定がなされました。
もっとも、最近では、「入院」および「外来(=入院外)」で当該給付金水準を変えた医療保険も販売されていますが、いずれにせよ、生命保険商品の「手術給付金」が「入院」を要件とすることは主流になりつつあるようです。

さて、消防車や救急車などの「公的車両」の出動に関しては、そのコストは当然、税金で賄われるべきでありますが、残念ながら、あまりにも軽微な出動や誤報などによる空振り出動など、本来必要とされる方々の要請を阻害するイベントが多発しているのも事実のようです。
三重県松阪市で6月1日から、救急車で運ばれたものの、入院しなかった軽症患者に対して7700円もの大金を徴収する制度がスタートした模様です。
富士山の入山料など、今まで当たり前のように無料であったものは、そろそろ有料化に転ずる時期が到来しているのかもしれませんね。
https://www.yomiuri.co.jp/local/mie/news/20240531-OYTNT50170/

2.退職代行リスク

「配属ガチャ」とは、新入社員が、“どの勤務地・部署・職種に配属されるか通知されるまでわからない状況”を表す造語のようです。
https://www.kaonavi.jp/dictionary/haizokugacha/
このため、自身の希望に沿わない配属先を言われた新入社員が、「退職代行」と呼ばれる業者を通じて会社を辞めることが大きな話題になっています。

退職代行業者には、「モームリ」「やめたらええねん」「OITOMA」など、いくつかの企業があるようですが、LINEのみでやり取りが完了して登録から僅か30分で「退職」できてしまうようです。
折角、入社を許諾された企業の誰かと全く話すことはない退職という構図に、希薄な人間関係を憂う人々は、決して少なくないようにも思いつつ、今どきの若者全てが、こうならないことを祈るばかりです。
https://gendai.media/articles/-/130656

3.口コミ

ぐるなび、食べログなど、所謂「口コミサイト」が主流になりつつありますが、一方で、根拠なき誹謗中傷などの弊害が出ていることも事実のようです。
具体的には、全国各地の医師ら約60人がグーグルマップの口コミ欄に書き込まれた事実と異なる悪評などが放置されて営業権を侵害されたとして「グーグル」本社に対する損害賠償を求めました。
なお、当該弁護団によれば、書き込みサービスを運営する
プラットフォーマーの責任を問う集団訴訟は初めてのようです。
某都知事選にみられる“表現の自由”の在り方を含めて、そろそろ転換期を迎える時代に突入しているのかもしれませんね。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_society/articles/000345757.html

4.有識者会議の報告書案

保険業界関係者としては、“有識者会議の報告書案”と聞くと、2020年6月に金融庁から公開された『経済価値ベースのソルベンシー規制等に関する有識者会議』
https://www.fsa.go.jp/singi/keizaikachi/index.html
をイメージされる方が少なくないように思います。

実は、一連の損保業界での不祥事に関する『損保有識者会議』が報告書案を発出されたようで、BIG MOTOR社に関する不正事件同様、業界を挙げての『自主規制機関』の設置が求められている模様です。
なお、主務官庁である金融庁が保険業法改正も視野に具体的な検討を進めるとのことですので、今後の成り行きが大いに注目されるところですね。
https://mainichi.jp/articles/20240607/k00/00m/020/380000c

5.フロッピーディスク!?

90年代に社会人となった身としては、“フロッピーディスク”と聞くと思わずワクワクします。例えば、
1)ワープロ専用機(に使用できる)フロッピーディスクは「2DD」、表計算ソフトは「2HD」(←2HDの方が2DDよりも大容量)
2)ドーナツ型の5インチサイズのペラペラなフロッピーディスクもある
3)パソコン通信機能を活用して大阪から東京にデータ送信 etc.
といった内容は、特に、Z世代にとっては“生きた化石”と評されるかもしれません。

一方、山口県での誤振込事件では、未だにフロッピーディスクを使用していたことや、誤送金した側である地方自治体が恰も被害者ズラした立居振舞などが、ネガティブな印象を与えてしまった感があります。
政府が進める「アナログ規制」の撤廃のうち、法令でフロッピーディスクでの提出などを求める行政手続きが近く全廃されるとデジタル大臣が明らかにされたようです。
21世紀の行政の在り方を改めて考えさせられる事例となりそうですね。
https://nordot.app/1174196605468622851?c=302675738515047521

6.保険業界での平均年収ランキング

“国内540万社の企業情報を完全網羅した日本最大級のデータベース「SalesNow DB」」を活用し、保険業界における各企業(上場企業)の平均年収について調査”というキャッチーなフレーズで注目されるかもしれません。
残念ながら、そもそも、非上場(例.保険相互会社など)が含まれないデータベースを用いて、当該会社の占率が高い(生命)保険業界のランキングを付すことについて、果たしてどれだけの意味があるのかという疑問は残ります。(失礼!)

なお、“保険業界”に「株式会社アドバンスクリエイト」が入っている点は、元受保険会社のみならず保険代理店が含まれることを示す好証左と言えるかもしれませんね。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000421.000049221.html

7.週休3日制導入

90年代初めにいわゆる“週休3日制”が導入されましたが、当時、“半ドン”と呼ばれた土曜日の午前中の仕事時間を廃止することで“生産性が著しく減少する”との危惧が相当制度みられたと伺ったことがあります。
個人的には、週6日で午前と午後が11コマある中、その1つが欠けても大した影響はないのでは?と感じたのですが、大学生としては、想像でものを言うことの恐ろしさを、まだ実感できていなかったように記憶しています。
一方、勤務日数が2割減るため年収ベースで8割程度の報酬額となってしまう点は、現時点では、ある意味仕方がないのかもしれませんね。
https://newswitch.jp/p/39569

8.新人事制度

“社員の行動が伴わない可能性がある”、“効果が出るまでに時間がかかる”などのデメリットが叫ばれる『パーパス経営』ですが、大手社を中心として日本においても徐々に広まっているように感じられます。(←筆者の勤務先でも導入済です)

一般的に呼ばれている『パーパス』自体は、会社そのものに関するものですが、“社員が自身の人生の目標や働く意義といった「MYパーパス」に基づいて異動できる人事制度”という点が非常に興味深いところです。
業界初となる当該制度が、良い意味で社員の自発的成長を促し、結果的に、会社自体も成長するという好循環に結び付けることができれば、win-winの関係構築に大きく寄与される可能性が高いと思われます。
https://newswitch.jp/p/36146

9.年功序列廃止

これまた、キャッチーなフレーズに目が留まります。
“20代で年収2000万円も可能に”という見出しで、異例の人事制度改革に基づき「優秀な人材確保」を目指す狙いがあるようです。
もっとも、海外に目を向ければ、メガバンク以外でも(円安の影響もあり)日本円換算で同水準以上を稼ぐ仕事は、それほど珍しいものではなく、むしろ、日本のバブル期を思い起こせば、“山手線の内側の土地の価格で米国が買える(https://gentosha-go.com/articles/-/28046)”などと、ある意味で“土地狂った”経済実態を経験したことも、事実ではあります。

街の声として、“プレッシャーになるかもしれない。抜かされたりしたら、何で自分できない…とか思いそう。”というネガティブなものがありつつ、一方で、“能力がある人間が評価される業界にいる身としては、むしろ、大手がやっていかないと、中堅ベンチャーもやっていかないので、その意味ではすごくいいと思う。”などと前向きな声もあるようです。

なお、51歳の誕生日を境に、重要な管理職以外の社員の給与が引き下げられていた中高年社員の一律減給廃止という内容もあるようですが、メガバンクに就職した高校時代の知人からの年賀状で、ついに役職定年になった!と悲痛な叫びが、ある意味で懐かしく感じられます。
https://www.fnn.jp/articles/-/715820

10.「18÷0=0」!?

“釣りニュース”であることを切に願うばかりです。
もし、記事の通り、この先生が本気で“0で割ったら0”と思い込んでいるのであれば、(厳しいかもしれませんが)教員免許をはく奪すべきです。
100歩譲って、「18÷0=0」が正しいと仮定すれば、(左辺の分母をはらえば)「18=0×0=0」となり、この先生の頭の中にあるすべての数字は「0」となります。
記事で紹介されているXの投稿で、この点に全く触れられていないのも悲しいです。
https://nlab.itmedia.co.jp/nl/articles/2406/24/news076.html

いかがでしたか。私事で恐縮ですが、今月は母校(高等学校)の関東支部同窓会に初参加しました。総勢160余名の大人数でしたが、特に、平成以降の卒業生の参加が少ないことを諸先輩方が嘆かれていたのが印象的です。

退職代行業者の台頭なども若干気になるところではありますが、300万円の供託金さえ支払えば、公職選挙法に基づくポスター掲示板を自由にできるという突飛な発想も、法律が追い付かない現代ならではの“歪”かもしれません。色々な意味で、“イロイロ”な事柄を考えさせられた貴重な機会となりました。

 

(ペンネーム:活用算方)

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