気になるニュース(2024年5月)


4月に引き続き5月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。
なお、内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。

1.給与の逆転

国を挙げて物価高に打ち勝つべく、様々な要請を民間企業に問いかける日々が続いていますが、大卒の就職率が98%を超えるなど、近年まれにみる超売り手市場であることは間違いなさそうです。
このような環境下で、初任給を引き上げた結果、既存社員が次々と退職という大変残念なニュースが飛び込んできました。

初任給を引き上げるのであれば、当然に、既存社員の給与も引き上げるというのが、どう考えても常識のように思えるのですが、そうしない企業が現に存在するとは。。。
一方、入社数日で退職を決意して、自ら申し出るならまだしも、代行会社を通してしか意見が言えない惨めな新社会人に対して、何故に給与水準を優遇する必要があるのかとも思わざるを得ません。
https://diamond.jp/articles/-/342672

2.「1on1」と「傾聴」

今更ながら、1 on 1ミーティングが時代遅れと言われても。。。
三流の管理職は「1on1」と「傾聴」が大好物のようですが、まことしやかに、これからは“「1on1」と「傾聴」”だ!と鼻息荒く宣う某フランス系の企業がとても懐かしく感じられます。
詳細は、誹謗中傷にならないように、該当記事をお読みいただき、読者の皆様のご判断を仰ぐしかないのではありますが、それにしても、これまで学習してきた常識を根底から覆されるのは、何とも不可思議な感覚を禁じ得ないですね。
https://diamond.jp/articles/-/342672

3.世界初移植とエゴ

苟も、この世に生を受けた者同士、少なくとも生命に優劣はないように思うのですが、他の生物の尊い命と引き換えに行った移植手術で患者が死亡することは、あくまでも結果論ではありますが、最初から手術しなければ、尊い命を損なう必要はなかったように思います。
色々な意味で、“自分さえよければ、他人や他生物の生命など関係ない”という価値観としか思えない悲しい出来事でした。
https://newsdig.tbs.co.jp/articles/-/1164748?display=1

4.公益通報(その1)

筆者の経験上、公益通報の制度設計において、最も重視すべき事項は、公益通報者の身分保証です。
しかし、あの天下の「大塚食品」が、不正を公益通報した後、配置転換で仕事をほとんど与えられなかったという事情で訴訟にまで発展した模様です。
企業側は常套句である「訴状を入手しておらず、内容を確認できていないのでコメントは控える」とのことですが、一度でいいので、「訴状が届いたらコメントしてくれるのですか?」と真正面から主張するジャーナリストにお会いしたいものです。
https://mainichi.jp/articles/20240513/k00/00m/040/201000c

5.公益通報(その2)

ついに、最も起こってはならない事態になりました。
公益通報した和歌山市職員が自殺。
某幹事長のお膝元での公務員災害ですので、50億円の予算から香典を拠出してほしいと願うばかりです。
それにしても、ここまで腐りきった地方公共団体は、有権者・納税者の信頼回復ができるのか、老婆心ながら非常に心配です。
https://news.yahoo.co.jp/articles/f4b91c7b3a8f803f78ad2a706aa8ce54cf202fdc

6.センテナリアン

“2050年頃には100歳まで働き、120歳まで余生を楽しめる世の中になっている可能性”とのコメントをみて、思わず、本当なの!?と感じました。
「貢献寿命を延ばすことが精神的な健康、幸福感につながる。長生きを喜べる社会は生きやすく、子を育てやすい社会。人口減が進む日本が目指すべき方向だ」とは、一見すると正当な主張にも見えるのですが、結局、死ぬまで働いて公的年金受給なんかするなと言われているようにしか思えません。
https://www.yomiuri.co.jp/national/20240516-OYT1T50009/

7.日本人特有の遺伝子(その1)

国内の腎細胞がん患者の7割に、日本人特有の遺伝子変異のパターンがある模様でして、具体的には、「SBS12」というパターンが日本人患者の72%で検出され、海外の患者では2%程度だったようです。
喫煙による肺がんなど、昔から言われている発がんリスクとは異なるとみられており、今後、日本人特有のパターンを招く要因を解明することで、予防や治療薬の開発につなげたいとのコメントは、まさに仰る通りだなと痛感いたします。
https://www.yomiuri.co.jp/medical/20240515-OYT1T50151/

8.日本人特有の遺伝子(その2)

筆者はアルコールに弱く、僅かコップ一杯の麦酒でも、すぐ顔が赤くなります。
一方、新型コロナウイルス感染症には、おかげさまで『り患』せず、なんとか無事に持病と闘いながらここまで過ごせております。
『アジアンフラッシュ体質』がキーワードのようですが、iPS細胞で有名な山中先生曰く、日本人特有のファクターXが解明される日も、そう遠くないかもしれませんね。
https://www.asahi.com/articles/ASS5P4DNVS5PTTHB00GM.html?iref=pc_ss_date_article

9.保険金だけの情報で保険料が分かる!?

「夫ががんで亡くなり、保険金で2500万円が入った」という人の話を聞きました。毎月いくらの保険料を払っていたのでしょうか?
近年まれにみるセンセーショナルな見出しに思わず目がいってしまいましたが、冷静に考えれば、単なるFPによる提灯記事であることに、もっと早く気付くべきでした。
揚げ足をとるつもりは毛頭ないのですが、死因が「がん」であることがどこで考慮されているのか、サッパリ分かりませんでした。

記事の最後にある、“生命保険は将来への大切な備えです。自分や家族のために、予算に応じて適切な保険を選びましょう。”というフレーズには、もちろん同感なのですが、その結論と見出しとが、あまりにも不一致であるように思えます。
https://financial-field.com/insurance/entry-292581

10.加入者の個人情報を競合他社に!?

生命保険と違って、損害保険の場合には自動車保険を中心とした『1年更新型契約』が多く、スマホの機種変更などと同様に短期間での契約乗換が多いように思います。
特に、ネット通販のテレビCMで“ネット割引や早期申込割引(早割)”など、正直なところ、割引根拠が良くわからない(失礼!)情報で溢れており、安くて充実した補償内容を求める利用者にとって、より適切な環境が整備されつつあります。
また、伝統的な保険代理店にとっては、既契約者情報が貴重なビジネス源であり、例えば、自動車保険と傷害保険などの顧客を代理店間で紹介し合うなど、もちろん、利用者の同意を前提にしてですが、より良いサービスや商品提案を行うこと自体は、適正な営業活動の範疇と言えるかもしれません。

一方、あくまでも噂ですが、不動産販売会社、引越会社、新聞販売所およびNHKなどがタッグを組んで、引っ越した直後から、続々と呼び鈴を鳴らされる事態に直面した事例も数多いかもしれません。
いずれにせよ、善意目的である限り、いわゆる“持ちつ持たれつ、阿吽の呼吸”といったある種の『処世術』的な側面は、高度に発達したIT技術環境下においても、依然として重要な営業戦略の1つと言えるかもしれませんね。

それにしても、大手鉄道事業者などにおける保険料談合など、いまだに旧態依然とした営業態勢から脱却できないことに一種の寂しさを感じずにはいられません。
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20240523/k10014458511000.html

いかがでしたか。協会長会社による6千億円の米生保買収は、鉄鋼メーカーによる米企業買収と対比されますが、それにしても、キャベツ千円、いちご一個千円など、物価高を彷彿とさせるニュースが非常に気になった月でした。

 

(ペンネーム:活用算方)

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