7月に引き続き8月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。
なお、内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。
また、スケジュールの関係で、7月末頃のニュースが含まれている点をご容赦ください。
1.外貨建て保険の監視強化
国内低金利などにより高利回りの「外貨建て保険販売」が好調ですが、昨今の円安のおかげでますますその魅力が向上しているように思われます。
一方、円高になれば“元本割れする可能性がある高リスク商品”という側面もありますので、金融庁による外貨建て保険の監視強化は当面続く模様です。
なお、“行員に外貨建て保険の販売を促す業績評価体系がある。外貨建て保険の販売実績を円建て保険の4倍高く評価していた銀行も”というくだりは、やはり衝撃的ですね。
https://ryukyushimpo.jp/kyodo/entry-1768602.html
2.大揺れの損保業界
BM社で大揺れの損保業界に追い打ちをかけるかの如く、カルテルの可能性が出た模様です。
具体的には、企業向け保険料の事前調整問題において、さらに、石油元売り会社などでも同様の調整が疑われる契約が複数でてきた模様です。
既に、金融庁から東京海上日動などに報告徴求命令が出されているようですので、BM社問題と同様、損保業界の動きがますます注目されますね。
https://www.yomiuri.co.jp/economy/20230802-OYT1T50027/
3.簡易査定!?
筆者が初めて社会人になった際、上司から、“生命保険会社の業務はある程度外注が可能であり、保険募集や資産運用などがその一例。ただ、唯一外注できない(してはならない)ものがアンダーライティングだ。もし、アンダーライティングを外注した場合、もはや生命保険会社とは言えないだろう。”と教わったことを昨日のように覚えています。
一方、損害保険会社においては、上記のアンダーライティングを簡略化する「簡易査定」というものがある模様です。
結果的に、簡易査定がBM社からの不正請求を見逃す温床となった可能性があるため、金融庁による全容解明が待たれるところですね。
4.新薬登場
厚生労働省の専門家部会で、アルツハイマー病の原因物質を除去する国内初の新薬について、国内での製造販売承認が了承された模様です。
認知症の原因物質(アミロイドβ)に作用する初めての治療薬のようですので、介護保険や認知症保険など、生命保険商品の内容および営業保険料水準などにも影響が出てくることが想定されますね。
なお、国内の認知症患者が約600万人で約7割がアルツハイマー病のようですので、高血圧や糖尿病(含む、予備軍)と併せて、巨大な保険市場が形成されそうですね。。
https://www.asahi.com/articles/ASR8P555QR8PUTFL00N.html?iref=comtop_7_01
5.「1日1万歩」の効果は?
赤チン、絆創膏など、昔は妥当な処置方法と認識されていたものが、最新の医学研究においては両者とも「不要」(特に、赤チンは水銀が含まれるため体によくない)との学説が流行しているようです。
同様に、健康のため「1日1万歩」歩こう!というフレーズも、ひと昔前に頻繁に耳にしましたが、これも、“やりすぎ”説が登場している模様です。
もちろん、何らかの医学的根拠はあるのでしょうが、“1日300kcalを消費できるなら、別に歩かなくてもいい”、“健康目的なら「1日1万歩」の必要はないことも、近年、明らかになってきました”という、メタボ体質の筆者にとっては救世主のようなフレーズに目を惹かれますが、“1日4000歩くらいから健康上のメリットを得られ、歩くなら8000歩くらいで十分な目標になりそうだ”とのことです。
万歩計に代わって、今では「スマホ」で歩数計測が可能な時代ですので、老体に鞭打って、せっせとウォーキングすることが、やはり健康の秘訣と言えるのでしょう。
https://withnews.jp/article/f0230823000qq000000000000000W0bx10201qq000026088A
6.「県民共済」>「日本生命」!?
掛金の安さ、年齢上昇による掛金上昇の抑制など、民間生保に比べると特異な仕組みを有する「制度共済」ですが、その掛金は日本生命よりも多い結果が出た模様です。
具体的には、マイボイスコム株式会社による『生命保険の加入実態』に関する「インターネット調査」結果が公開され、最も多く保険料を支払っている会社は、「アフラック」「県民共済」「日本生命」が8~9%となった模様です。
なお、「インターネット調査」というだけあって、『アクサダイレクト生命』『チューリッヒ生命』『楽天生命』主加入者で「インターネット申込み」が1位となっている点が非常に興味深いところです。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000001351.000007815.html
7.全都道府県で人口減
国土交通省によれば、2008年(平成20年)に日本の人口が減少に転じた模様です。
https://www.mlit.go.jp/hakusyo/mlit/r01/hakusho/r02/html/n1111000.html#:~:text=2008%E5%B9%B4%EF%BC%88%E5%B9%B3%E6%88%9020%E5%B9%B4%EF%BC%89%E3%81%AB%E6%88%91%E3%81%8C%E5%9B%BD%E3%81%AE%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E3%81%AF,11.7%EF%BC%85%E5%A2%97%E3%81%88%E3%81%A6%E3%81%84%E3%82%8B%E3%80%82
さらに、1972年の沖縄の本土復帰以降の調査では初めて全都道府県で日本人人口が減少した模様です。(外国人人口は全都道府県で増加し過去最多となった模様です)
人口動態が今後の保険業界にどのような影響を及ぼすのかが気になります。
https://www.nippon.com/ja/japan-data/h01747/#:~:text=%E6%97%A5%E6%9C%AC%E4%BA%BA%E4%BA%BA%E5%8F%A3%E3%81%AF09,%E4%B8%876877%E4%BA%BA%E3%81%A0%E3%81%A3%E3%81%9F%E3%80%82
8.時給1500円
一連の不払い問題で過去の査定結果資料などを全件チェックするため、パートタイム業務の時給が跳ね上がった記憶がありますが、国内外の物価水準および給料水準の違いにより、特に、グローバル企業の時給が大きく上昇している模様です。
群馬県にある今年4月にオープンした「コストコ群馬明和倉庫店」では、アルバイトの時給が最低1500円となっている模様ですが、同県の最低賃金が900円程度である点を考慮すれば、相当高い水準といえるでしょう。
ただし、たとえ“惣菜コーナーなどの「裏方調理担当」”であっても、英語力が必要になるようですが。
9.月面着陸成功
月面着陸といえば米国の「アポロ計画」が有名ですが、この度、米国、旧ソ連、中国に次いでインドが月面着陸に成功した模様です。
ただし、無人探査機ですので、有人着陸である「アポロ計画」には、まだ道のりが険しいかもしれません。
なお、当コラム「2022年10月26日 (水) 気になるニュース(2022年10月)」でご紹介しました通り、世界初の「月保険」が日本で発売されましたので、(有人・無人を問わず)日本初の月面着陸成功が来る日も、そう遠くないかもしれませんね。
https://sorae.info/space/20230823-chandrayaan3-landing.html
10.UFOはいるのか?
2023年7月26日に「UFO公聴会」がアメリカで開催された模様です。
UFOについては、日本テレビの矢追純一ディレクターを中心に日本でも一大ブームを巻き起こしましたが、河童やツチノコと同様に、もしその正体が掴めた場合には、さらなるブームが再燃すること間違いなしですね。
個人的には、赤城山に眠るとされる徳川埋蔵金の方が気になりますが。。。
https://news.tv-asahi.co.jp/news_international/articles/000309116.html
いかがでしたか。今月は、世界陸上や高校野球などのスポーツで大いに盛り上がった月でしたが、その一方で、福島原発事故による処理水の海洋放出もスタートしました。処理水放出の完了まで30~40年かかると言われていますが、改めて高校時代の物理で学習した「半減期」を思い出しました。
“ラジウムRaの半減期は1620年”(←『親切な物理(下)』渡辺久夫著)だそうですが、トリチウムのそれが“約12.3年”というのがせめてもの救いに感じられます。
(ペンネーム:活用算方)