順番の決め方


様々な物議を醸した東京五輪も無事に閉幕されましたが、開会式にまつわる様々な課題(例.予算の急増、スマホのマナー、お弁当の大量廃棄、宿泊費の無駄遣いなど)も浮き彫りにされたように思えます。

一方、“五十音順の入場行進順序”が日本周辺地域の有事活動に思わぬ影響を与えていることも報道されました。

そこで、今回のコラムでは、様々な順番の決め方について、筆者の懐かしい記憶を辿りながら、ご紹介いたしましょう。

1.五輪開会式の入場行進の順番

古代五輪の発祥地のギリシャが最初に行進するのは歴史的経緯などから納得感がありますが、2番目以降は難民選手団が行進されるようです。個人的には大変すばらしい配慮だと思いますが。
もちろん、五輪精神として、国と国との闘いではなく、政治的活動も認めないようですが、一方で、平和の祭典であり人道的な配慮も当然になされるべきでしょう。

一方、3番目以降の行進順番については、“開催国の言語による国名の順で入場”というルールがあるようで、最後は開催国のようです。

今回の五輪での“開催国の言語”は日本語、つまり、五十音順ですから、「あ」から始まるアメリカは選手団の入場序盤に出なければならないようですが、残念ながら、商業的配慮(=お金)から、そうはならなかったようですが。
果たして、“商業主義”は、五輪精神としての許容範囲と言えるのでしょうか?
https://news.yahoo.co.jp/articles/7ccbdda4c351055e729b93c5f98edc3b3c959397

2.台湾と中国

「タ」と「チ」であれば、当然、「タ」の方が先に来ますので、台湾が中国よりも先に行進されました。
某国はこれがお気に召さないようで、さらに、某国営放送のアナウンサーがChinese Taipei を「台湾」と呼称したことも、某国では物議を醸している模様です。

五十音を機械的に当てはめただけなのに、政治的見解を挟みこんでくるとは。
https://news.yahoo.co.jp/articles/7c77d1a0f48c78c642c139838e0697ac95feda0d

3.100周年記念大会

順番ではありませんが、国名表記などのエピソードを1つ。
1999年に京王プラザホテルで華やかに開催された、日本アクチュアリー会100周年記念大会でも、多くの国と地域から来賓の方々が参加されました。

当時、大会部会委員を務めた方から偶然、コメントを得る機会に恵まれましたが、広辞苑を参照しながら、それぞれの国や地域の英語・ローマ字表記を採用されたそうです。
国名表記など、国際大会では常に悩ましい事項についても、日本を代表する国語辞典が威力を発揮する点は、とても頼もしい限りです。

4.生命保険会社名

筆者が社会人デビューを果たした90年代は、生命保険協会などでの生命保険会社の順番は、何故か、イロハ順でした。
五十音でない理由は?と上司に聞いたのですが、そんな質問はご法度という感じの表情をされながら、“もし、お前が生命保険業界で長く勤めたければ、しない方がよい質問だと”と、やんわりと拒絶されました。。。

ハートフォード生命の出現で、やはり、何故か、イロハ順が五十音順に変更されたことを知り、“あ。そういうことか!!”と妙な納得感がありましたが。。。

5.インシュアランス生命保険統計号(保険研究所)

勤務先のレイアウト変更で書庫の整理をした際、廃棄予定だった『平成9年版生命保険統計号(保険研究所)』を頂けたのですが、未だに自宅の書庫を飾る書籍として君臨しています。

表紙の裏面にある「凡例」で、“統計編・会社編の会社掲載順序は設立順(戦後新会社を設立した会社はその順序)による”と記載されており、具体的には、第一生命が最初に表示されています。

なお、第一生命の「第一」とは、1900年に制定された(最初の)保険業法に基づく「保険相互会社」としての第一号に由来しているそうです。

いかがでしたか。「順番」としては、試験結果など「人の順番」も常に気になるところです。日本に保険を紹介された福沢諭吉先生曰く“天は人の上に人を造らず 人の下に人を造らず”は、五輪精神に通じる「平等主義の象徴」とみなされています。

しかし、『学問のすすめ』の中身を読み進めると。。。
https://setsuyaku.ceo/post/2477/%E7%A6%8F%E6%B2%A2%E8%AB%AD%E5%90%89%E3%80%8C%E5%A4%A9%E3%81%AF%E4%BA%BA%E3%81%AE%E4%B8%8A%E3%81%AB%E4%BA%BA%E3%82%92%E4%BD%9C%E3%82%89%E3%81%9A%E3%80%8D%E6%9C%AC%E5%BD%93%E3%81%AE%E6%84%8F%E5%91%B3

(ペンネーム:活用算方)

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