業界共通試験(外貨建保険販売資格試験編)


想定受験者数115万人(=金融機関代理店44万人、一般代理店17万人、営業職員・内勤職員24万人=約85~90万人+α)という大規模な業界共通試験である『外貨建保険販売資格試験』が、2020年10月1日よりスタートいたしました。
https://www.seiho.or.jp/exam/pdf/20200811.pdf

代理店の方々を優先して受験いただくため、なかなか受験機会に恵まれなかったのですが、幸い、2021年5月の試験に臨むことができました。
そこで、今回のコラムでは、これから当該試験を受験される方々(特に新入職員の方々)に向けて、試験で押さえておくべき“ツボ”をいくつかご紹介いたしましょう。

1.専門用語

一般課程試験および専門課程試験の受験経験者にとっては、少なくとも以下の用語は初めて目にするケースが多いように思えます。

ファンダメンタルズ、クロスレート、内国為替、オープン市場

なお、最後の「オープン市場」は、セールス手帖社の「ワークブック」の練習問題に登場する用語ですが、テキストには登場しませんので、ご安心ください。

2.紛らわしい用語

以下の用語は、かなり紛らわしいように思えます。
・予定利率、積立利率、基準利率
・主要通貨、基軸通貨、運用通貨
・「契約締結前交付書面」、「契約締結時交付書面」

特に、最後の「交付書面」シリーズ(笑)では、「契約締結後交付書面」はあるのかなあ?と疑問に感じられるかもしれませんが、テキストには登場しませんので、ご安心ください。

3.利益が出ることは「リスク」?

テキストの「為替リスク」の説明で、

“為替リスクとは、為替相場の変動によって、保有する外貨建資産を円に換算した額が変化して、損失や利益が生じる不確実性のこと”

という記載があります。

初めて読んだときは、「利益が出ることもリスクなの??」と不思議に感じましたが、恐らく、“想定と異なる事態が生じて、損益が変動すること”を重視した表現なのだろうと推測されます。

4.YouTube

無料で学習できる動画がアップされているのは、本当にありがたいものですね。

ただ、上述のセールス手帖社のワークブック(練習問題)の内容が公開されていますので、著作権法上の問題が気になるところではありますが。。。
https://www.youtube.com/watch?v=qqGNNuxFILw

5.年金管理費はどこから控除?

アクチュアリー試験の生保数理を受験された方であれば、年金開始後契約の予定事業費は年金年額の一定割合(例.年金年額の1%を毎年始に徴収など)という条件で問題を解かれた経験も多いかと思います。

一方、当試験のテキストでは、年金開始日以後、年金を維持管理するための費用を(年金年額ではなく)責任準備金から控除します、との記述があります。

アクチュアリー試験を念頭に置きすぎると、誤った解答が導かれる可能性もありますので、注意したいところです。

6.クーリング・オフ

保険業界での実務経験が長い筆者でも、恥ずかしながら、「クーリング・オフ」が保険業法に規定されていることを、この試験で初めて知りました。

具体的には、保険業法第309条(保険契約の申込みの撤回等)で、
・撤回方法は書面で行うこと
・撤回事項記載書面の交付日と申込日の遅い日から起算して8日以内に行うこと
などが規定されています。

なお、クーリング・オフの有効期限については、8日よりも長い保険会社もあるようですので、保険業法の規定とは異なる取り扱いであっても、消費者保護に資するものであれば認められる事例の1つと言えそうですね。
https://www.zurichlife.co.jp/faq/insurance/application/others/07

いかがでしたか。それにしても、YouTube動画など、本当に便利な時代になりましたね。今回のコラムが受験生の皆様への参考になれば幸いです。

(ペンネーム:活用算方)

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