アクチュアリー試験の合格発表も行われて、いよいよ、次回のアクチュアリー試験に向けて勉強をスタートしている方々も多いかと思います。
そこで、今回のコラムでは、筆者が実際に実践したものや、知人から聞いた効果的と思われる様々な、試験勉強のコツを幾つかご紹介いたしましょう。
1.終わりを決める
日本アクチュアリー会ホームページによれば、アクチュアリー正会員になるまでは平均8年程度かかる模様です。
“アクチュアリーを目指す 受験に関するFAQ”
http://www.actuaries.jp/examin/faq.html#link06
このため、長期戦となることをある程度自覚していても、なかなか合格できないために途中で断念してしまうことも少なくないと思います。
そこで、是非おすすめしたいのが、“終わりを決める”ということです。
例えば、受験開始から3年以内に1科目も合格できない場合は、アクチュアリーを断念して別の道を歩いてみる、という感じで、明確に “終わりを決める” ことが重要だと思います。
なお、ラーメン店の記事で、“中途半端な成果に思い悩むのであれば、「終わりを決める」ことで進んでみてはどうだろう。” https://news.yahoo.co.jp/articles/4301a4c99a2ac9eb64d3f902f4fdf3d39db02b41?page=2
というのがありました。まさに、アクチュアリー試験にも通じる考え方ですね。
2.常に教材を持ち運ぶ
テキスト等をPDFファイルにして、スマホやタブレットで持ち運んで、スキマ時間に繰り返し読むのも非常に効果的です。
なお、業界共通試験である『専門課程テキスト』は、PDFファイルであれば、無料で配布される模様です。
http://www.nnlife.co.jp/library/pdf/agencies/cbt/2020_senmon.pdf
3.問題を解いてから(問題意識をもって)テキスト等を読む
教科書を理解してから過去問に挑むというのは、オーソドックスな学習法ですが、どうしても時間がかかります。逆に、教科書の練習問題や過去問に挑んでから、分からない部分をテキストで確認するというスタイルが効果的です。
4.丸暗記も必要
第2次試験(専門科目)になると、テキスト以外にも法令や監督指針など、出題範囲が飛躍的に増加しますので、暗記すべき量がどうしても増えてしまいます。
したがって、“これ以上は削れない”という部分まで、出題範囲を最小限化した上で、最後は、丸暗記してしまうくらいの勢いも必要になるかもしれません。
なお、“これ以上は削れない”という部分までの絞り込みは、先輩アクチュアリーからアドバイスを頂くのが効果的です。
5.毎日勉強する
社会人の場合、日々の業務が忙しく、平日に勉強時間を確保するのが難しいのが実情だと思われます。しかし、土日に偏って勉強しても平日の仕事のおかげで、せっかく身に着けた知識も忘れてしまうという悪循環に陥りがちです。
やはり、平日にも、たとえ1時間でもいいので、勉強する習慣を身に着けるのが効果的といえるでしょう。
6.SNSをうまく活用
最近は、TwitterなどのSNS上で、試験勉強の専用サイトが準備されていますので、学習者にとっては、このようなツールを上手く活用するのが必勝法かもしれません。
ただ、顔が見えない相手に“だまされる”危険性は否定できませんし、一番タチが悪いのは回答者の思い込みや知識不足で間違った答えを伝えてしまうという点です。
やはり、“顔の見える”正会員にキチンと回答いただけるような環境づくりが大切になります。
7.スケジュール表を作る
平日に2時間、土日に10時間の計30時間が、社会人として確保できる勉強時間の上限と言われています。
しかし、通勤時間やトイレ中のスキマ時間をうまく活用すれば、もっともっと勉強時間を拡大できるかもしれません。
まずは、自分自身がどれくらいの勉強時間を確保できるのか、スケジュール表を作成し、試験日から逆算して、残り何時間を持っているのかを見極めるところからスタートしても良いでしょう。
ちなみに、河合塾のホームページでは、学習計画を立てるコツが紹介されていますので、大いに参考にしたいところです。
“合格につながる学習計画の立て方”
https://www.kawai-juku.ac.jp/admission/cnt/plan/?sc_cid=dad_acjp_ydo_e00_prn_202102
8.祝日は勉強しない
上記の“スケジュール表”に関連しますが、スケジュール調整用に、祝日を敢えて空けておくのも良いでしょう。
突発的な業務で勉強時間が奪われたり、逆に、スケジュール通りに学習が進めば、自分へのご褒美として、祝日を自由時間に充てるのも効果的です。
9.情報に惑われ過ぎない
SNSを始めとして、様々な情報が散乱していますので、あまり、手を広げすぎるとかえって不安を煽る事態にもなりかねません。
アクチュアリー試験に関係が深い書籍が刊行された場合は別として、やみくもに、情報取集だけを続けるのは、どこかで区切りをつけて勉強に専念するのが良いでしょう。
10.最後は自分を信じるしかない
“アクチュアリーに自分は向いているか?”という疑問は、恥ずかしながら、正会員になった筆者ですら、未だに感じ続けています。
一方、大学院に進学しようかどうか悩んでいた時、ゼミの先輩から、
“悩むくらいなら就職した方がいいんじゃないの?”
という貴重なアドバイスを頂き、社会人の道に進んだ記憶もあります。
資格試験である以上は、最後は、自分自身との闘いになりますので、どうか自分を信じて、アクチュアリー正会員を目指してください!
いかがでしたか。アクチュアリーの認知度も飛躍的に向上し、有償無償を問わず、様々な勉強支援態勢も完備されつつありますので、インターネットを駆使して、皆さん自身に相応しい学習スタイルが一日も早く確立されることを願っております。
(ペンネーム:活用算方)