気になるニュース(2021年3月)


2月に気になったニュースを幾つかピックアップしたいと思います。(一部の記事は1月中に公表されております点をご容赦ください。)
なお、内容はすべて単なる個人的な見解であり、特定の人物や団体等を誹謗・中傷する意図は全くないことを、念のため申し添えます。

1.新型インフルエンザ等対策特別措置法等の一部を改正する法律

新型コロナウイルス感染症の法的位置づけが「指定感染症」から「新型インフルエンザ等感染症」に変更(2021年2月13日施行)されましたが、引き続き、災害死亡保険金等の支払対象となる模様です。
https://www.orixlife.co.jp/about/notice/2020/pdf/n210212_2.pdf

感染症予防法の第6条(定義等)では、
“この法律において「感染症」とは、一類感染症、二類感染症、三類感染症、四類感染症、五類感染症、新型インフルエンザ等感染症、指定感染症及び新感染症をいう。”
と規定されていますので、全部で8種類ある「感染症」のうち、第7番目から第6番目に、新型コロナウイルス感染症が移動した、という状況です。

なお、将来的に同ウイルス感染症が、例えば『一類感染症(感染症予防法第6条第2項)』の疾病に指定され、その指定が解除された日以後に支払事由が生じたときは、災害死亡保険金の対象外となる可能性もありますので、注意が必要です。
https://www.asahi-life.co.jp/join/pdf/202004_no30_yakkan-1.pdf

また、新型コロナウイルスの法的扱いをどうすべきかという意見は割れているようで、季節性インフルエンザ相当扱いにして、経済や医療への負担を軽減しようという意見もあるようです。
https://news.yahoo.co.jp/articles/a82eafcd9289baaeda18412f85556832ca12c4f4
※ 新型インフルエンザと季節性インフルエンザの違いは、厚生労働省のホームページに詳しく説明がなされています。
https://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou04/inful_nyumon.html

2.鳥インフルエンザが初めてヒトに感染

鳥インフルエンザが初めてヒトに感染した模様です。
https://www.news24.jp/articles/2021/02/21/10827494.html
新型コロナウイルスの新規変異株と併せて、ワクチン効果や伝播状況などが注目されます。
https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/ka/corona-virus/2019-ncov/10169-covid19-35.html

3.失効取消制度

幾つかの生命保険会社ですでに導入されている、「失効取消制度」の導入に関するニュースです。
https://www.orixlife.co.jp/about/news/2020/pdf/n210129.pdf
失効後に一定期間内であれば保険契約を復活させる制度がありますが、この場合は、改めて告知などの危険選択を行う必要があります。
しかし、本件では、“一定期間内であれば告知不要で保障の継続が可能”となっており、契約者保護がより一層進んだものと言えるかもしれません。

なお、以下のブログも参考になると思います。
http://iwk.cocolog-nifty.com/blog/2019/08/post-25cf48.html

3.妊婦特化型アプリ活用に向けた実証実験開始

SOMPOひまわり生命と京都大学発のスタートアップ企業が協力し、社会課題とされている妊娠期の合併症やうつ状態の予防および早期発見に貢献することを目指した実証実験を開始される模様です。
少子高齢化の解決は国の重要課題の一つであり、公共性の極めて高い生命保険会社が当該課題解決に貢献することには、非常に大きな社会的意義があると思われます。

なお、「すごろく」形式で妊娠・出産の不安を解消していく仕掛けにより、健康管理を楽しく続けられるきっかけ作りが施されている模様です。健康アプリ等のサービスを継続利用いただくかという、業界共通の課題解決策は、やはり、“ゲーミフィケーション”がカギとなりそうです。
https://www.himawari-life.co.jp/-/media/himawari/files/company/news/2020/a-01-2021-02-15.pdf?la=ja-JP

4.業界初(その1)

第一フロンティア生命が生命保険業界で初めて、トッパンフォームズが提供する共通手続きプラットフォーム「AIRPOST(エアポスト)」を活用したオンライン住所変更サービスを提供開始する模様です。

具体的には、「+メッセージ(プラスメッセージ)」公式アカウントを入口として、お客さまが「AIRPOST」に登録した住所をはじめとした本人情報を企業に連携し、更新手続きをスマートフォンだけで完結させることができるものです。
https://www.d-frontier-life.co.jp/corporate/release/pdf/2020_0015.pdf

なお、「+メッセージ(プラスメッセージ)」とは、スマホのアプリとして機種変更などの際に、あらかじめインストールされているアプリで、LINEに類似した機能が備わっている旨を、携帯電話ショップで聞いたことがあります。

トッパンフォームズ社ホームページでは、損害保険会社の口座振替申込み受付開始もアナウンスされているようですので、今後、保険業界での利活用が広まっていく可能性がありそうですs。
https://airpost.toppan-f.co.jp/service/

5.業界初(その2)

大同生命がアクセンチュアと共同開発した医務査定業務におけるAIモデルが、業界初となるビジネスモデル特許を取得された模様です。
一律でのルール化(自動化)が極めて困難な領域であった当該業務に対して、過去数年分(約10万件)の申込情報などのデータ分析に基づく独自のAIモデルが構築されています。
https://www.daido-life.co.jp/company/news/2021/pdf/210204_news.pdf

以前、“ワトソン”を活用した会社(例.かんぽ生命、富国生命など)がありましたが、この手のニュースが出ると、“人員削減”の噂も話題になることもあり、逆に、査定部門に配属された従業員としては微妙な立場に感じるかもしれません。
https://mainichi.jp/articles/20161230/ddm/001/020/105000c
https://www.businessinsider.jp/post-34352

6.副業解禁

第一生命ホールディングスが、営業職を除く社員約1万5,000人を対象に4月から副業を解禁する方針を明らかにされた模様です。
コロナ渦での人材育成や収入源の多様化による生活基盤の安定化など、導入の意義は大きいものと思われます。

副業解禁は大手生保では初めてのようで、ITエンジニアや金融知識を生かしたセミナー講師といった職種が想定されており、副業を通じて得た専門知識や人脈を本業に生かしてもらう狙いもあるようです。

なお、対象者の1割程度の利用を目指すとのことですが、アクチュアリーとしての知識や経験なども、上記の“金融知識”に含まれるものと思われます。
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021020301353&g=eco

7.ウイルスはウイルスでも

「Emotet(エモテット)」と呼ばれるコンピューターウイルスに感染しているパソコンが国内に約2万6千件確認されたとする情報が警察庁に寄せられた模様です。

ニュースの見出しを見た瞬間、時期的に、“新型コロナウイルスの感染?”と思ってしまいましたが、逆に、こういう時期だからこそ、注意しなければならないリスクの1つかもしれません。
https://news.yahoo.co.jp/pickup/6385560

8.生保二次テキスト改訂

アクチュアリー資格試験の第2次試験(専門科目)のうち、保険1(生命保険)および保険2(生命保険)のテキストが改訂される模様です。詳細は、日本アクチュアリー会ホームページおよび今月の別のコラムをご覧ください。
http://www.actuaries.jp/info/T20210212.html

いかがでしたか。新型コロナウイルス感染症は、働き方(リモートワーク推進)や保険加入形態(非対面チャネルの活用)など、様々な方面に影響を及ぼしています。ワクチン接種もスタートしますので、是非、この困難をみんなで協力しながら乗り切って行きたいですね。

(ペンネーム:活用算方)

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