2019年度のアクチュアリー試験の合格発表が、2020年2月14日(金)11時頃に日本アクチュアリー会ホームページで公開されました。
合格された方は本当におめでとうございます。また、惜しくも合格に至らなかった方も諦めずに試験勉強を再開して、来年の今頃を笑顔で迎えられるようにしたいですね。
例年同様、合格者数および合格者受験番号のみが公開されましたが、合格率はまだ公開されておりません。ちなみに、昨年度(2018年度)の合格率は、2019年3月15日(金)に、同会ホームページの会員サイトで、資格試験結果についてのニュースリリースを業界紙向けに発信した旨のお知らせが公表されておりましたので、今回も3月中旬頃には合格率が発表されるものと思われます。
そこで、今回のコラムでは、2月14日(金)の公開情報に基づく推計合格率について、個人的見解も交えながらご紹介したいと思います。
1.科目別合格基準点および最低ライン
第1次試験(基礎科目)の『年金数理』の合格基準点が50点から60点に変更された以外は、第2次試験(専門科目)を含め、昨年と同じ設定となっています。
2.略算合格率の比較
略算合格率(=合格者数÷合格者受験番号最大値)について、昨年度と比較すると下表のようになります。なお、合格率の分母を『合格者受験番号最大値』としているのは、現時点で『受験者数』が公開されていないことによるものです。
仮に、前回と比較して合格率が5ポイント以上乖離した場合を『難化/易化』の基準とすれば、上表から、今回の結果では、
・数学、生保数理、会計・経済・投資理論 ⇒ 易化
・年金数理 ⇒ 難化
した可能性があります。
3.推計合格率の比較
アクチュアリー会から公表されている合格率は、上述の略算合格率とは異なり、合格率を計算する『分母』が『受験者数(=申込者数-欠席者数)』となります。
そこで、2018年度の実績に基づき、2019年度の合格率を推計すると下表のようになります。
2.と同様の『難化/易化』の基準を前提にすれば、上表から、今回の結果では、
・数学、生保数理、会計・経済・投資理論 ⇒ 易化
・損保数理、年金数理 ⇒ 難化
した可能性があります。(それにしても、1次試験に比べて2次試験の合格率のブレの少なさに注目されます。)
なお、受験経験のある方はお分かりになると思いますが、試験開始1時間で相当数の方々が退出されますので、それらの退出者数をさらに『分母』から除外した方が、より正確な合格率と言えるかもしれません。
それにしても、『欠席者数』が多いですね。特に、第1次試験(基礎科目)では、申込者の約3割が欠席しています(2018年度の場合)。もちろん、体調不良や突発的業務対応など、やむを得ない事情で受験できなかった人もいらっしゃるとは思いますが、受験料を無駄にせず、1人でも多くの方に挑戦して欲しいと思います。(ペンネーム:活用算方)□