2019年生保数理の解答速報(前半)
2020年がスタートしましたが、アクチュアリー試験の合格発表まで、まだ少し時間がありますね。そこで、今回のコラムでは、昨年12月のアクチュアリー試験科目のうち、生保数理の解答速報をご紹介いたしましょう。
なお、日本アクチュアリー会からの公式解答は、例年、3月末頃に公開されますので、必ず、公式解答と比較した上でご利用ください。
また、解答速報の全体がかなりのページ数になりますので、2つに分割してご紹介することを、何卒ご容赦ください。
問題1(1)
(A)について、教科書(上巻)4ページ(1.2.2)より、\(\left(1+\frac{i^{\left(k\right)}}{k}\right)^k=1+i\) ・・・ ①
与えられた条件から、\(k=12\ ,\ i^{\left(k\right)}=1.10\%\) ・・・ ②
②を①に代入すると、\(i=\left(1+\frac{i^{\left(k\right)}}{k}\right)^k-1=\left(1+\frac{0.0110}{12}\right)^{12}-1\ \fallingdotseq\ 0.0111\)
(B)について、
教科書(上巻)14ページ(1.5.9)より、\(a_{\overline{n|}}={\ddot{a}}_{\overline{n+1|}}-1\) ・・・ ③
教科書(上巻)14ページ(1.5.7)より、\(s_{\overline{n|}}={\ddot{s}}_{\overline{n-1|}}+1\) ・・・ ④
与えられた条件から、\({\ddot{a}}_{\overline{21|}}=18.6873、{\ddot{s}}_{\overline{19|}}=21.4529\) ・・・ ⑤
③⑤より、\(a_{\overline{20|}}={\ddot{a}}_{\overline{21|}}-1=18.6873-1=17.6873\) ・・・ ⑥
④⑤より、\(s_{\overline{20|}}={\ddot{s}}_{\overline{19|}}+1=21.4529+1=22.4529\) ・・・ ⑦
教科書(上巻)23ページ(1.9.1)より、\(\frac{1}{a_{\overline{n|}}}=\frac{1}{s_{\overline{n|}}}+\ i\) ・・・ ⑧
⑥⑦⑧より、\(i=\frac{1}{a_{\overline{20|}}}-\frac{1}{s_{\overline{20|}}}=\frac{1}{17.6873}-\frac{1}{22.4529}\fallingdotseq\ 0.0120\)
(C)について、
教科書(上巻)21ページ(1.8.6)より、\(\left(Ia\right)_\infty=\frac{1}{i}+\frac{1}{i^2}\) ・・・ ⑨
与えられた条件から、\(\left(Ia\right)_\infty=7,517.836\) ・・・ ⑩
⑩を⑨に代入すると、\(7,517.836=\frac{1}{i}+\frac{1}{i^2}\)となるので、変形すると、\(7,517.836i^2-i-1=0\)
となり、\(i=\frac{-\left(-1\right)\pm\sqrt{\left(-1\right)^2-4\times7,517.836\times\left(-1\right)}}{2\times7,517.836}\fallingdotseq0.0116\) または \(-0.0115\)
⑩より、\(i>0\)なので、\(i\ \fallingdotseq\ 0.0116\)
(D)について、
教科書(上巻)8ページ(1.4.1)より、\(i=\frac{2I}{A+B-I}\) ・・・ ⑪
与えられた条件から、A=50,030億円、B=56,500億円、I=625億円 ・・・ ⑫
⑫を⑪に代入すれば、\(i=\frac{2\times625}{50,030+56,500-625}=\frac{1,250}{105,905}\fallingdotseq0.0118\)
(E)について、
与えられた条件から、借入金利息の返済と減債基金の積み立ては年1回その期末に行われるので、金融機関で借りた金額を1として、借入金利率を\(i\%\)とすれば、
毎年の元利均等返済額 = 金融機関へ支払う利息 + 減債基金への毎年の繰入額
という関係式が成り立つ。これを算式で表現すると、\(\frac{1}{a_{\overline{n|}}}=\frac{1}{s_{\overline{n|}}}+\ i\) ・・・ ⑬
⑬の式は⑧の式と同じようにみえるが、与えられた条件から、減債基金の積立利率が2.00%、実質的な借入金利率が0.50%となるので、⑬の\(a_{\overline{n|}}\)および\(s_{\overline{n|}}\)について、その適用金利を記号の右上で表示すれば、⑬より、\(\frac{1}{a_{\overline{n|}}^{\left(0.50\%\right)}}=\frac{1}{s_{\overline{n|}}^{\left(2.00\%\right)}}+\ i\) ・・・ ⑭
よって、求める金利は、⑭より、\(i=\frac{1}{a_{\overline{n|}}^{\left(0.50\%\right)}}-\frac{1}{s_{\overline{n|}}^{\left(2.00\%\right)}}=\frac{1}{9.7304}-\frac{1}{10.9497}\fallingdotseq0.0114\)
以上の結果、(A)~(E)を大きい順に並べると、
(B)0.0120>(D)0.0118>(C)0.0116>(E)0.0114>(A)0.0111
となるので、2番目に大きいものは(D)、4番目に大きいものは(E)となる。
(答)\(\fbox{ ① }\)(D)、\(\fbox{ ② }\)(E)
問題1(2)
まず、\(\fbox{ ① }\)について、
教科書(上巻)57ページ(2.4.12)より、\({{_n}p}_x=e^{-\int_{\ 0}^{\ n}{\ \mu_{x+t}}\ d\ t}\) ・・・ ①
与えられた条件から、\(\mu_x=\frac{a}{110-x}\) ・・・ ②
与えられた条件から、\({{_10}p}_{30}=\left(\frac{7}{8}\right)^\frac{1}{2}\) ・・・ ③
②③を①に代入すると、\(\left(\frac{7}{8}\right)^\frac{1}{2}={{_10}p}_{30}=e^{-\int_{\ 0}^{\ 10}{\ \mu_{30+t}}\ d\ t}=e^{-\int_{\ 0}^{\ 10}{\ \frac{a}{110-30-t}}\ d\ t}=e^{\int_{\ 0}^{\ 10}{\ \frac{-a}{80-t}}\ d\ t}\)
\(=e^{\left[alog{\left(80-t\right)}\right]_0^{10}}=e^{alog{7}0-alog{8}0}=e^{alog{\frac{70}{80}}}=e^{alog{\frac{7}{8}}}=e^{{log{\left(\frac{7}{8}\right)}}^a}=\left(\frac{7}{8}\right)^a\)
となるので、\(a=\frac{1}{2}=0.5\) ・・・ ④
よって、\(\fbox{ ① }\)=(I)
次に、\(\fbox{ ② }\)について、
教科書(上巻)61ページ(2.5.5)より、\(\stackrel{o}{e}_x=\int_{\ 0}^{\ \omega-x}{\ {{_t}p}_x}\ \ dt\) ・・・ ⑤
②④を①に代入すれば、\({{_n}p}_x=e^{-\int_{\ 0}^{\ n}{\ \mu_{x+t}}\ d\ t}=e^{-\int_{\ 0}^{\ n}{\ \frac{0.5}{110-x-t}}\ d\ t}=e^{\left[0.5log{\left(110-x-t\right)}\right]_0^n}=e^{0.5log{\left(110-x-n\right)}-0.5log{\left(110-x\right)}}=e^{0.5log{\frac{110-x-n}{110-x}}}=e^{{log{\left(\frac{110-x-n}{110-x}\right)}}^{0.5}}=\left(\frac{110-x-n}{110-x}\right)^{0.5}\) ・・・ ⑥
⑥を⑤に代入すると、\(\stackrel{o}{e}_{30}=\int_{\ 0}^{\ 110-30}{\ {{_t}p}_{30}}\ \ dt=\int_{\ 0}^{\ 80}{\ \left(\frac{110-30-t}{110-30}\right)^{0.5}}\ \ dt=\int_{\ 0}^{\ 80}{\ \left(\frac{80-t}{80}\right)^{0.5}}\ \ dt=\left[-\frac{80}{1.5}\left(\frac{80-t}{80}\right)^{1.5}\right]_0^{80}=-\frac{80}{1.5}\left(\frac{80-80}{80}\right)^{1.5}+\frac{80}{1.5}\left(\frac{80-0}{80}\right)^{1.5}=\frac{80}{1.5}\fallingdotseq\ 53.33\)
よって、\(\fbox{ ② }\)=(H)
(答)\(\fbox{ ① }\)(I)、\(\fbox{ ② }\)(H)
問題1(3)
終身保険に関する『隣接二項間の公式』より、\(A_x=vq_x+vp_xA_{x+1}\) ・・・ ①
教科書(上巻)2ページ(1.1.4)より、\(v=\frac{1}{1+i}\) ・・・ ②
教科書(上巻)43ページ(2.1.7)より、\(p_x+q_x=1\) ・・・ ③
②③を用いると①より、\(A_x=\frac{1}{1+i}\times\left(1-p_x\right)+\frac{1}{1+i}\times\ p_xA_{x+1}\)となるので、変形すれば、
\(p_x=\frac{1-A_x\times\left(1+i\right)}{1-A_{x+1}}\) ・・・ ④
与えられた条件から、\(A_x=0.8499\ ,\ \ A_{x+1}=0.8573\ ,\ \ i=1.50\%\) ・・・ ⑤
⑤を④に代入すると、\(p_x=\frac{1-0.8499\times\left(1+0.015\right)}{1-0.8573}\ \fallingdotseq\ \mathrm{\mathrm{0.962}52}\)
(答)(F)
問題1(4)
求める営業保険料をPとすれば、収支相等の原則より、
\(P\times a30 : 30 | = A30 : 30 | 1+0.5 \times P \times IA30 : 30 | 1+0.03+0.03 \times P \times a30 : 30 |+0.001 \times a30 : 30 |\)
となるので、変形すれば、\(P\ = A30 : 30 | 1+0.03+0.001 \times a30 : 30 | 0.97 \times a30 : 30 |-0.5 \times IA30 : 30 | 1\) ・・・ ①
教科書(上巻)103ページ(4.2.4)より、\(Ax : n | 1=Dx+nDx\) ・・・ ②
教科書(上巻)106ページ(4.3.13)より、\(ax : n | =Nx-Nx+nDx\) ・・・ ③
教科書(上巻)103ページ(4.2.4)より、\(IAx : n |1=Rx-Rx+n-nMx+nDx\) ・・・ ④
②③④を①に代入して、与えられた計算基数の表を用いれば、
\(P=\ \frac{\ \frac{D_{60}}{D_{30}}+0.03+0.001\times\frac{N_{30}-N_{60}}{D_{30}}}{\ 0.97\times\frac{N_{30}-N_{60}}{D_{30}}-0.5\times\frac{R_{30}-R_{60}-30M_{60}}{D_{30}}}\ =\frac{\ \frac{55,742}{76,734}+0.03+0.001\times\frac{3,216,227-1,211,168}{76,734}}{\ 0.97\times\frac{3,216,227-1,211,168}{76,734}-0.5\times\frac{2,532,528-1,076,467-30\times45,727}{76,734}}\fallingdotseq\ \mathrm{\mathrm{0.031}56}\)
(答)(C)
問題1(5)
教科書(下巻)158ページ(13.1.20)より、\({{_t}p}_x^a={{_t}p}_x^{aa}+{{_t}p}_x^{ai}\) ・・・ ①
教科書(下巻)156ページ(13.1.13)より、\({{_t}p}_x^{aa}=\frac{l_{x+t}^{aa}}{l_x^{aa}}\) ・・・ ②
教科書(下巻)158ページ(13.1.19)より、\({{_t}p}_x^{ai}=\frac{1}{l_x^{aa}}\left(l_{x+t}^{ii}-l_x^{ii}{{_t}p}_x^i\right)\) ・・・ ③
②③を①に代入すると、\({{_t}p}_x^a=\frac{l_{x+t}^{aa}}{l_x^{aa}}+\frac{1}{l_x^{aa}}\left(l_{x+t}^{ii}-l_x^{ii}{{_t}p}_x^i\right)=\frac{l_{x+t}^{aa}+l_{x+t}^{ii}-l_x^{ii}{{_t}p}_x^i}{l_x^{aa}}\) ・・・ ④
与えられた、死亡・就業不能脱退残存表を用いれば、④より、
\({{_2}p}_{60}^a=\frac{l_{62}^{aa}+l_{62}^{ii}-l_{60}^{ii}{{_2}p}_{60}^i}{l_{60}^{aa}}=\frac{81,069+3,870-3,096\times{{_2}p}_{60}^i}{84,312}\) ・・・ ⑤
ここで、\({{_t}p}_x^i\)のように右上に\(i\)が1つの記号は単生命表と同じように扱えることに注意すれば、
\({{_2}p}_{60}^i=p_{60}^i\times\ p_{61}^i=\left(1-q_{60}^i\right)\times\left(1-q_{61}^i\right)\) ・・・ ⑥
一方、教科書(下巻)155ページ(13.1.11)より、\(q_x^i=\frac{d_x^{ii}}{l_x^{ii}+\frac{1}{2}i_x}\) ・・・ ⑦
⑦を⑥に代入すれば、\({{_2}p}_{60}^i=p_{60}^i\times\ p_{61}^i=\left(1-\frac{d_{60}^{ii}}{l_{60}^{ii}+\frac{1}{2}i_{60}}\right)\times\left(1-\frac{d_{61}^{ii}}{l_{61}^{ii}+\frac{1}{2}i_{61}}\right)\) ・・・ ⑧
与えられた、死亡・就業不能脱退残存表を用いれば、⑧より、
\({{_2}p}_{60}^i=\left(1-\frac{119}{3,096+\frac{1}{2}\times480}\right)\times\left(1-\frac{139}{3,457+\frac{1}{2}\times552}\right)\) ・・・ ⑨
⑨を⑤に代入すれば、\({{_2}p}_{60}^a=\frac{81,069+3,870-3,096\times\left(1-\frac{119}{3,096+\frac{1}{2}\times480}\right)\times\left(1-\frac{139}{3,457+\frac{1}{2}\times552}\right)}{84,312}\fallingdotseq\ \mathrm{\mathrm{0.973}34}\)
(答)(H)
問題1(6)
教科書(下巻)180ページ(14.1.3)より、求める年払純保険料は\(v^\frac{1}{2}q_x^{ah}T\delta\) ・・・ ①
ここで、\(q_x^{ah}:x\)歳の1年間の災害入院発生率、\(T:\)平均給付日数(←平均入院日数ではない)、\(\delta:\)入院給付金日額
まず、\(T\)から求める。与えられた条件から、入院日数から4日を差し引いた日数と60日との短い方が給付日数となるので、教科書(下巻)181ページ(14.1.4)より、
\(T=\sum_{j=5}^{64}{\frac{q_x^{ahj}}{q_x^{ah}}\left(j-4\right)}+\sum_{j\geq65}{\frac{q_x^{ahj}}{q_x^{ah}}\times60}\) ・・・ ②
与えられた条件から、\(q_x^{ahj}=\left\{\begin{matrix}\frac{1}{10,000}\ \ \left(j\le100\right)\\\ \ \ \ 0\ \ \ \ \ \ \left(j>100\right)\\\end{matrix}\right.\) ・・・ ③
③より、101日以上入院する確率はゼロなので、②の右辺の2つ目のΣ部分にこれを反映すると、\(T=\sum_{j=5}^{64}{\frac{q_x^{ahj}}{q_x^{ah}}\left(j-4\right)}+\sum_{j=65}^{100}{\frac{q_x^{ahj}}{q_x^{ah}}\times60}\)となり、さらに、③の\(q_x^{ahj}\)の値を考慮すれば、
\(T=\sum_{j=5}^{64}{\frac{\frac{1}{10,000}}{q_x^{ah}}\left(j-4\right)}+\sum_{j=65}^{100}{\frac{\frac{1}{10,000}}{q_x^{ah}}\times60}=\frac{\frac{1}{10,000}}{q_x^{ah}}\left\{\sum_{j=5}^{64}\left(j-4\right)+\sum_{j=65}^{100}60\right\}=\frac{\sum_{j=1}^{60}{j+\sum_{j=65}^{100}60}}{10,000q_x^{ah}}\)
\(T=\frac{\frac{1}{2}\times60\times\left(60+1\right)+60\times\left(100-65+1\right)}{10,000q_x^{ah}}=\frac{1,830+2,160}{10,000q_x^{ah}}=\frac{3,990}{10,000q_x^{ah}}=\frac{399}{1,000q_x^{ah}}\) ・・・ ④
さらに、与えられた条件から、\(\delta=1,000\ ,\ \ i=2.00\%\)であるので、これと④を①に代入すれば、求める年払純保険料は、\(v^\frac{1}{2}q_x^{ah}T\delta=\left(\frac{1}{1+i}\right)^\frac{1}{2}q_x^{ah}T\delta=\left(\frac{1}{1.02}\right)^\frac{1}{2}\times\ q_x^{ah}\times\frac{399}{1,000q_x^{ah}}\times1,000=\left(\frac{1}{1.02}\right)^\frac{1}{2}\times399\ \fallingdotseq\ 395.07\)
(答)(I)
問題2(1)
まず、以下のように記号を定義する。
\(l_x^{aa}:x\)歳の職種Aの人数
\(l_x^{ii}:x\)歳の職種Bの人数
\(d_x^{aa}:x\)歳の職種Aが\(x+1\)歳に達するまでに職種Aのままで死亡する者の数
\(d_x^{ii}:x\)歳の職種Bが\(x+1\)歳に達するまでに(職種Bのままで)死亡する者の数
\(i_x:x\)歳の職種Aが\(x+1\)歳になるまでの間に職種Bとなる数
まず、職種Aの異動状況から、\(l_x^{aa}-d_x^{aa}-i_x=l_{x+1}^{aa}\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ l_x^{aa}-l_{x+1}^{aa}=d_x^{aa}+i_x\) ・・・ ①
同様に、職種Bの異動状況から、\(l_x^{ii}-d_x^{ii}+i_x=l_{x+1}^{ii}\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ l_x^{ii}-l_{x+1}^{ii}=d_x^{ii}-i_x\) ・・・ ②
与えられた条件(1つ目の・)から、\(\frac{d_x^{aa}}{l_x^{aa}}=\frac{1}{106}\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ l_x^{aa}=106d_x^{aa}\) ・・・ ③
与えられた条件(2つ目の・)から、中央死亡率は『分母』が中央である点に注意すれば、
\(\frac{d_x^{aa}+d_x^{ii}}{\left(\frac{l_x^{aa}+l_x^{ii}+l_{x+1}^{aa}+l_{x+1}^{ii}}{2}\right)}=\frac{2}{213}\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ l_x^{aa}+l_x^{ii}+l_{x+1}^{aa}+l_{x+1}^{ii}=213\left(d_x^{aa}+d_x^{ii}\right)\) ・・・ ④
与えられた条件(3つ目の・)から、\(\frac{d_x^{ii}}{l_x^{ii}+\frac{1}{2}i_x}=\frac{1}{111}\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ l_x^{ii}+\frac{1}{2}i_x=111d_x^{ii}\) ・・・ ⑤
与えられた条件(4つ目の・)から、\(\frac{l_x^{aa}+l_{x+1}^{aa}}{2}=418\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ l_x^{aa}+l_{x+1}^{aa}=836\) ・・・ ⑥
与えられた条件(5つ目の・)から、\(\frac{l_x^{ii}+l_{x+1}^{ii}}{2}=221\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ l_x^{ii}+l_{x+1}^{ii}=442\) ・・・ ⑦
①~⑦を解いて、各々の数を求める。
⑥⑦を④に代入すれば、\(836+442=213\left(d_x^{aa}+d_x^{ii}\right)\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ d_x^{aa}+d_x^{ii}=6\) ・・・ ⑧
②⑦を辺々加えると、\(2l_x^{ii}=d_x^{ii}-i_x+442\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ l_x^{ii}+\frac{1}{2}i_x=\frac{1}{2}d_x^{ii}+221\) ・・・ ⑨
⑤⑨より、\(111d_x^{ii}=\frac{1}{2}d_x^{ii}+221\hspace{1em}\Leftrightarrow\hspace{1em}\ d_x^{ii}=2\) ・・・ ⑩
⑩を⑧に代入すれば、\(d_x^{aa}=4\) ・・・ ⑪
⑪を③に代入すれば、\(l_x^{aa}=106\times4=424\) ・・・ ⑫
⑫を⑥に代入すれば、\(l_{x+1}^{aa}=836-424=412\) ・・・ ⑬
⑪⑫⑬を①に代入すれば、\(i_x=l_x^{aa}-l_{x+1}^{aa}-d_x^{aa}=424-412-4=8\) ・・・ ⑭
⑪⑫⑭より、\(x\)歳の職種Aの絶対死亡率は、\(\frac{d_x^{aa}}{l_x^{aa}-\frac{1}{2}i_x}=\frac{4}{424-\frac{1}{2}\times8}=\frac{4}{420}=\frac{1}{105}\ \fallingdotseq\ 0.009524\)
(答)(G)
問題2(2)
教科書(上巻)139ページ(4.11.14)より、\(\left(\overline{I}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ n\ \right|}}^1=\int_{0}^{n}{tv^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}\) ・・・ ①
同様に、\(\left(\overline{D}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ n\ \right|}}^1=\int_{0}^{n}{\left(n-t\right)v^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}\) ・・・ ②
①②より、\(\left(\overline{D}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1-\left(\overline{I}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1\)
\(=\int_{0}^{10}{\left(10-t\right)v^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}-\int_{0}^{10}{tv^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}=10\int_{0}^{10}{v^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}-2\int_{0}^{10}{tv^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}\) ・・・ ③
教科書(上巻)123ページ(4.8.1)より、\({\overline{A}}_{x\ \ :\ \overline{\left.\ n\ \right|}}^1=\int_{0}^{n}{v^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}\) ・・・ ④
与えられた条件から、\({\overline{A}}_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1=0.028180\) ・・・ ⑤
④⑤を③に代入すれば、
\(\left(\overline{D}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1-\left(\overline{I}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1=10\times0.028180-2\int_{0}^{10}{tv^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}=0.28180-2\int_{0}^{10}{tv^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}\) … ⑥
与えられた条件から、利力と死力が定数なので、それぞれ\(\delta\ ,\ \mu\)とおく。
教科書(上巻)7ページ(1.3.3)より、\(v=e^{-\delta}\) ・・・ ⑦
教科書(上巻)57ページ(2.4.12)より、\({{_n }p}_x=e^{-\int_{\ 0}^{\ n}{\ \mu_{x+t}}\ d\ t}\)となり、死力が定数であることに注意すれば、\({{_n }p}_x=e^{-\int_{\ 0}^{\ n}{\ \mu_{x+t}}\ d\ t}=e^{-\int_{\ 0}^{\ n}{\ \mu}\ d\ t}=e^{-\mu\int_{\ 0}^{\ n}{\ 1}\ d\ t}=e^{-n\mu} \)・・・ ⑧
⑦⑧より、
\(\int_{0}^{10}{tv^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}=\int_{0}^{10}{te^{-\delta t}e^{-\mu t}\mu\ d\ t}=\mu\int_{0}^{10}{te^{-\left(\delta+\mu\right)t}\ d\ t}=\mu\int_{0}^{10}{t\left\{\frac{d}{dt}\frac{1}{-\left(\delta+\mu\right)}e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\right\}\ d\ t}\)
\(=\mu\left\{\left[t\frac{1}{-\left(\delta+\mu\right)}e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\right]_0^{10}-\int_{0}^{10}{\frac{d}{dt}t\left\{\frac{1}{-\left(\delta+\mu\right)}e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\right\}\ d t}\right\}\)
\(=\mu\left\{-\frac{10}{\delta+\mu}e^{-10\left(\delta+\mu\right)}-\int_{0}^{10}{\frac{1}{-\left(\delta+\mu\right)}e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\ d\ t}\right\}=\mu\left\{-\frac{10}{\delta+\mu}e^{-10\left(\delta+\mu\right)}+\frac{1}{\delta+\mu}\int_{0}^{10}{e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\ d\ t}\right\}\)
\(=\mu\left\{-\frac{10}{\delta+\mu}e^{-10\left(\delta+\mu\right)}+\frac{1}{\delta+\mu}\left[\frac{1}{-\left(\delta+\mu\right)}e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\right]_0^{10}\right\}\)
\(=\mu\left\{-\frac{10}{\delta+\mu}e^{-10\left(\delta+\mu\right)}+\frac{1}{\delta+\mu}\left[\frac{1}{\delta+\mu}-\frac{1}{\delta+\mu}e^{-10\left(\delta+\mu\right)}\right]\right\}\)
\(=\mu\left\{-\frac{10}{\delta+\mu}e^{-10\left(\delta+\mu\right)}+\frac{1-e^{-10\left(\delta+\mu\right)}}{\left(\delta+\mu\right)^2}\right\}\) ・・・ ⑨
⑨を⑥に代入すれば、
\(\left(\overline{D}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1-\left(\overline{I}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1=0.28180-2\mu\left\{-\frac{10}{\delta+\mu}e^{-10\left(\delta+\mu\right)}+\frac{1-e^{-10\left(\delta+\mu\right)}}{\left(\delta+\mu\right)^2}\right\}\) ・・・ ⑩
与えられた条件から、\(A_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^{\ \ \ \ \ \ \ 1}=0.87492\) ・・・ ⑪
教科書(上巻)103ページ(4.2.2)より、\(A_{x\ \ :\ \overline{\left.\ n\ \right|}}^{\ \ \ \ \ 1}=v^n{{_n }p}_x\) ・・・ ⑫
⑦⑧⑪⑫より、\(0.87492=A_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^{\ \ \ \ \ \ 1}=v^{10}{{_10 }p}_x=e^{-10\delta}e^{-10\mu}=e^{-10\left(\delta+\mu\right)}\) ・・・ ⑬
与えられた条件から、\(log{\left(A_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^{\ \ \ \ \ \ \ 1}\right)}=-0.129548\) ・・・ ⑭
⑬⑭より、\(-0.129548=log{\left(A_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^{\ \ \ \ \ \ 1}\right)}=log{e^{-10\left(\delta+\mu\right)}}=-10\left(\delta+\mu\right)\)となるので、
\(\delta+\mu=0.0129548\) ・・・ ⑮
④⑤⑦⑧より、
\(0.028180={\overline{A}}_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1=\int_{0}^{10}{v^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}=\int_{0}^{10}{v^t{{_t }p}_x\mu\ d\ t}=\mu\int_{0}^{10}{v^t{{_t }p}_x\ d\ t}=\mu\int_{0}^{10}{e^{-\delta t}e^{-\mu t}\ d\ t}\)
\(=\mu\int_{0}^{10}{e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\ d\ t}=\mu\left[-\frac{1}{\delta+\mu}e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\right]_0^{10}=-\frac{\mu}{\delta+\mu}\left[e^{-\left(\delta+\mu\right)t}\right]_0^{10}=-\frac{\mu}{\delta+\mu}\left(e^{-10\left(\delta+\mu\right)}-1\right)\)
\(=\frac{\mu}{\delta+\mu}\left(1-e^{-10\left(\delta+\mu\right)}\right)\)となるので、変形すれば、\(\mu=0.028180\times\frac{\delta+\mu}{1-e^{-10\left(\delta+\mu\right)}}\) ・・・ ⑯
⑬⑮を⑯に代入すれば、\(\mu=0.028180\times\frac{0.0129548}{1-0.878492}\ \fallingdotseq\ 0.003004\) ・・・ ⑰
⑬⑮⑰を⑨に代入すれば、
\(\int_{0}^{10}{tv^t{{_t }p}_x\mu_{x+t}\ d\ t}=\mu\left\{-\frac{10}{\delta+\mu}e^{-10\left(\delta+\mu\right)}+\frac{1-e^{-10\left(\delta+\mu\right)}}{\left(\delta+\mu\right)^2}\right\}\)
\(\fallingdotseq\ 0.003004\times\left\{-\frac{10\times0.878492}{0.0129548}+\frac{1-0.878492}{0.0129548^2}\right\}\fallingdotseq\ \mathrm{\mathrm{0.137}845}\) ・・・ ⑱
⑱を⑥に代入すれば、
\(\left(\overline{D}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1-\left(\overline{I}\overline{A}\right)_{x\ \ :\ \overline{\left.\ 10\ \right|}}^1\fallingdotseq\ 0.28180-2\times0.137845=0.00611\)
(答)(B)