仕事と両立しながら資格取得を目指すことが多いアクチュアリー。3年から10年前後までと、資格取得までかかる時間は、働き方や職場環境など人によってさまざまです。
では、資格取得までかかる“必要経費”とは、一体どれくらいなのでしょう?
アクチュアリーになるには、公益社団法人 日本アクチュアリー会が定める下記の試験に合格する必要があります。受験料は1科目につき、研究会員は10,000円(正・準会員は7,000円)です。
※1次試験に1科目以上合格すると、日本アクチュアリー会の「研究会員」となることができます。
※1次試験の5科目に合格すると「準会員」。さらに専門科目の2科目に合格すると「正会員」となります。
●1次試験(基本科目)
1.数学・・・・確立、統計、モデリング
2.損保数理・・・・損保数理の基礎および応用
3.生保数理・・・・保険数理の基礎および応用
4.年金数理・・・・年金数理・年金財政の基本
5.会計・経済・投資理論・・・・会計・経済・投資理論の基本
●2次試験(専門科目)・・・・以下の3つのコースより1つを選択し受験します。
□生保コース
1.生保1・・・・生保商品の実務
2.生保2・・・・生保会計・決算
□損保コース
1.損保1・・・・損保商品の実務
2.損保2・・・・損保会計・決算・資産運用
□年金コース
1.年金1・・・・適格退職年金制度、確定給付企業年金制度、確定拠出年金制度、
年金関係税務・会計
2.年金2・・・・公的年金制度・厚生年金基金制度
1科目以上合格と同時に、日本アクチュアリー会の年会費があり、正会員は30,000円、準会員・研究会員は15,000円が必要です。
<研究会員から正会員になるまで7年かかった場合の必要経費>
受験料 基本科目5科目 50,000円 + 専門科目2科目 14,000円
年会費 105,000円
合計 169,000円
1年で1科目を順調に受験し、かつ独学で勉強した場合のケースです。ここに、教科書代(1教科1500円~5000円ほど)が入り、20万円前後というのが最低限かかる費用といったところでしょうか。
独学で資格取得も可能ですが、研究会員になると、日本アクチュアリー会が開催する「アクチュアリー講座」を受けることができます。
基礎講座:120,000円
確率論、統計論、数学(確率論演習)、数学(統計論演習)、モデリング、生保数理、損保数理、年金数理、会計学、経済学、投資理論、生命表のすべての講義が受けられます。
特論講座:50,000円
危険選択論、社会保険論、人口論、保険監督法、年金実務法規、ファイナンス数理、リスクマネジメント論のすべての講義が受けられます。
個別の勉強会や講座に通うなど、お金のかかり方も人それぞれ。ちなみに年会費は、正会員になってからも必要です。日本アクチュアリー会が主催する研究会など研鑽の場に積極的に顔を出して、価値あるインプットや人脈を広げる機会をどんどん作っていくといいでしょう。