公認会計士がコンサル業界に転職する背景
公認会計士としての専門知識と経験を生かし、コンサル業界へ転職する方が増えている背景には、以下のような内容が挙げられます。
- キャリアアップを目指したい
- 高収入を目指したい
- キャリア形成の柔軟さを求めたい
- クライアントに寄り添った仕事をしたい
ここでは、公認会計士がコンサル業界を選ぶ理由について詳しく見ていきましょう。
キャリアアップを目指したい
コンサル業界は、多様な業務を経験しながらスキルを高められるため、キャリアアップの場として選ばれています。財務分析や経営戦略の立案に携わることで、経営者に近い視点での仕事が増え、幅広い知識と視点を持てるようになります。
また、プロジェクトを通じて問題解決能力やコミュニケーションスキルを磨くことができ、将来的にはファーム内でパートナーのポジションを目指すほか、事業会社でCEOやCFOとして活躍したり、別の業界で専門性を発揮するキャリアパスを選ぶことも可能です。
高収入を目指したい
コンサル業界は一般的に高収入が期待できる分野であり、公認会計士にとっても魅力的なポイントです。監査法人や事業会社と比べて、ベースの給与が高い傾向があり高収入を目指すことができます。
また、どの案件も会計士としての専門性を活かし、プロジェクトを成功に導くことでキャリアアップが期待できる点も特徴です。特に、M&Aや企業再生といったプロジェクトでは、成果に応じて年収が大幅に向上するケースもあり、さらなる収入アップが見込めます。
キャリア形成の柔軟さを求めたい
コンサル業界では、問題解決能力を磨く機会が豊富にあり、どの業界でも通用する普遍的なスキルを身につけることができます。たとえば、金融や製造、ITなど、さまざまなクライアントの課題に関わることで異なる業界の知見が得られ、自身の市場価値を高められます。
さらには、経験を積んだあとはコンサルタントとして独立する道もあるため、公認会計士としてのキャリアを柔軟に活用できるでしょう。
クライアントに寄り添った仕事をしたい
コンサルタントは、クライアントと密接に関わりながら経営課題を解決するという、深い信頼関係のもとで仕事を進める点が大きな特徴です。監査法人で培われる厳格な基準への対応力や、複雑な手続きをクリアするための高度な思考力は、コンサルティングにおいても極めて重要であり、公認会計士としての経験が強みとなります。
また、監査法人が基準に基づくチェックを重視する一方で、コンサルタントはクライアントの経営目標や特定の課題に応じた柔軟な提案が求められるため、新たな視点でスキルを活かし、さらなる成長ややりがいを感じられる環境です。
公認会計士がコンサルタントとして活躍できるファームの種類
公認会計士がコンサルタントとしてのキャリアを選ぶ際、どの分野で活躍できるかを知ることは重要です。ここでは、公認会計士が特に強みを発揮できるコンサルティングファームの種類を3つ紹介します。
FAS(M&A、事業再生)
FAS(Financial Advisory Services)は、公認会計士が持つ財務・会計に関する専門知識を最大限に生かせる領域です。
FASはM&Aアドバイザリーを中心に財務面でのサポートを行うため、専門領域や業務範囲が広くなるのが特徴です。本来はFASは業務内容を指す言葉でしたが、FAS業務を提供する組織のことをFASと呼ぶようになっています。
FASは、BIG4系のFASとそれ以外の独立系FASに分類されます。BIG4系のFASは大手企業のクロスボーダーM&Aだけでなく、中堅企業や地方の中規模クラスのM&A案件も数多く手掛けています。
独立系FASは中規模~小規模の案件が多くなり、一人でほぼすべてのプロセスに従事することも珍しくありません。
また、FASの業務範囲はM&Aだけにとどまらず、事業再生も重要な分野です。特に、経営状況が悪化した企業の再建支援や、財務構造の見直しを通じて企業価値の向上を図る業務に従事する公認会計士も多く見られます。これにより、M&Aに限らず、企業の成長や再建に直接貢献する実務経験を得ることができます。
総合系コンサル
総合系コンサルティングファームは、戦略立案から業務改善、IT導入支援まで幅広い領域をカバーしているのが特徴です。公認会計士としての知識や経験を活かし、企業の財務戦略や内部統制の強化に携わるケースが多くあります。
また、総合系コンサルはグローバル案件にも強いため、国内外問わず多様なプロジェクトに参加できるチャンスがあります。幅広い業務を経験しながら、経営全般に関わるスキルを磨きたい方にとっては、最適な選択肢といえるでしょう。
公認会計士がコンサルに転職するメリット
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公認会計士がコンサル業界に転職するメリットは以下の通りです。
- やりがいを感じやすい
- 年収UPにつながる
- スキル・経験が増える
- キャリアの幅が広がる
公認会計士がコンサルタントとして働くことで、クライアントの経営課題や戦略的な問題解決に直接携わる機会が増えます。公認会計士としての専門知識を応用し、企業の成長や再生を支援できるため、大きなやりがいを感じられます。
また、コンサル業界は成果に応じた報酬が期待できる職種でもあり、監査法人や一般的な事業会社に比べてコンサルティングファームの年収が高めに設定されていることが多いです。特に、プロジェクトが成功した際にはボーナスやインセンティブも支給されるため、収入の向上が見込めます。
その他にも、多様な業界やプロジェクトに関わることで課題解決力やプレゼンテーション能力といった幅広いビジネススキルを身につけることができ、将来のキャリア選択の際に役立てられるのもメリットの一つです。
公認会計士がコンサルファームに転職する際は、自分のスキルや目標に合ったコンサルタント業務を選び、計画的にキャリアを進めることが大切です。
公認会計士がコンサルに転職するデメリット
一方で、コンサル業界に転職するデメリットとして、以下の3つが挙げられます。
- 仕事が忙しくなってしまう可能性がある
- 継続的な学習が必要になる
- 公認会計士の知識だけでは活躍ができない
コンサル業務は、クライアントの業界に精通した経営陣とプロジェクトを進めるため、専門家と対等にビジネスを行う必要があります。そのため、知識のインプットが常に求められ、それに加えてクライアントとのミーティングや資料作成などに時間がかかります。
また、プロジェクト進行中は忙しく休みも取りづらくなってしまう場合もあり、メリハリのある働き方を実現しづらいかもしれません。
公認会計士がコンサル業界で求められるスキル
コンサル業界で活躍するためには、単に会計知識や専門スキルだけではなく、以下のような総合的なスキルが求められます。
- コミュニケーション能力
- プレゼンテーション能力
- 情報収集能力
ここでは、公認会計士がコンサル業界で求められるスキルについて具体的に解説します。
コミュニケーション能力
コンサルタントとしてクライアントの経営課題を解決するためには、優れたコミュニケーション能力が必要です。クライアントの要望を的確に理解し、適切に提案やアドバイスを伝える能力はプロジェクトの成功を左右します。
特に、会計士としての専門知識や専門用語を分かりやすく説明する力や、複雑な財務情報をクライアントに伝える際に高いコミュニケーション能力が求められます。
プレゼンテーション能力
コンサル業界では、分析結果や提案内容をクライアントや社内のチームに対してプレゼンテーションする機会が多くあるため、プレゼンテーション能力は必須です。単にスライドを作成するだけでなく、説得力のある説明や聞き手の関心を引きつける話し方も重要です。
公認会計士の分析スキルを生かし、財務データやプロジェクトの進捗を明確に伝えられれば、信頼性の高いコンサルタントとして評価されます。
情報収集能力
コンサルティング業務では課題解決のために多くの情報を集めて分析し、適切な結論を導き出す能力が求められます。情報収集能力は、迅速に必要なデータを集め、信頼性のある情報源を見極める力も含まれます。
公認会計士の監査や分析経験を生かし、適切なデータ収集と分析を行うことでクライアントに価値ある提案を提供できるようになるでしょう。
公認会計士からコンサルタントになった際のキャリアプラン
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公認会計士からコンサルタントに転職後、さらなるキャリア展開の可能性は幅広くあります。コンサルタントとしての経験を積むことで描けるキャリアプランとして、以下のようなものが挙げられます。
コンサルティングファームでのキャリアアップ
コンサルタントとしてキャリアをスタートしたあとは、シニアコンサルタントやシニアマネージャーへと昇進し、最終的にはパートナーとしてファームのリーダーを目指せます。パートナーになればプロジェクトの指揮だけでなく、ファーム全体の戦略やビジネス開発にも関与することが可能です。
事業会社への転職
コンサルタントとして得た戦略立案や財務分析の経験を生かして、事業会社の経営企画部門や財務部門のリーダー職に転職するケースも多くあります。自分次第では、CFO(最高財務責任者)やCOO(最高執行責任者)などの経営陣として企業の成長を支える役割を担う場合もあります。
独立する
一定の経験と実績を積んだのち、独立して自らのコンサルティングファームを立ち上げることも選択肢の一つです。独立することで、自分の得意分野に特化したサービスを提供したり自由な働き方を実現したりすることが可能です。クライアントと直接契約することで、自身のビジネスモデルを構築し、成功すれば高い収入と影響力を得られるでしょう。
グローバルキャリアへの展開
コンサル業界で培ったスキルと公認会計士の資格を活かし、海外のコンサルティングファームや多国籍企業でキャリアを築くことも可能です。
国際的な環境で働くことで、異文化への理解やグローバルな視点が得られ、さらなるスキルアップや人脈の拡大が期待できます。これにより、より多様なキャリアパスを描くことが可能になります。
金融業界やPEファンド
コンサルタントとしてのキャリアで培ったプロジェクトマネジメント能力やビジネス分析、改善提案のスキルは、PEファンドにおいて企業の成長戦略を実行する際に重要です。M&Aや企業再生関連のプロジェクトに関わることで、投資銀行やPEファンドで求められる実践的なスキルを身につけられます。
公認会計士がコンサルタントを経て金融業界やPEファンドへと進むキャリアプランは、専門知識を生かしつつ、戦略的思考を求められる仕事に携わりたい方にとって理想的なルートです。
公認会計士がコンサル業界に転職する際のポイント
公認会計士がコンサル業界への転職を目指す際、以下のような戦略的な準備が必要です。
- コンサル業界の業務内容・必須スキルを理解する
- キャリアのゴールを明確にする
- コンサル業界に必要なビジネススキルを磨く
- 公認会計士の転職に特化したエージェントに依頼する
ここでは、転職を成功させるための重要なポイントについて詳しく紹介します。
コンサル業界の業務内容・必須スキルを理解する
コンサル業界の業務内容や求められるスキルを深く理解することが大切です。コンサルタントとして働くためには、財務分析や経営戦略の立案、プロジェクトマネジメントなど、公認会計士としてのスキルを生かしつつも、それ以上に広範囲なビジネス知識や解決力が欠かせません。
コンサル業界は幅広い種類があるため、あらかじめどの分野に進むのかを明確にしておき、そのコンサルへの理解を深めると良いでしょう。
キャリアのゴールを明確にする
コンサル業界での転職を成功させるためには、転職後のキャリアプランを具体的に考えることが必要不可欠です。「コンサルタントとしてのスキルを磨いてマネージャーやパートナーを目指すのか」「将来的に事業会社の経営層へ移行したいのか」など、自分のキャリアゴールを設定することで、転職活動中の軸が明確になります。
コンサル業界に必要なビジネススキルを磨く
上述したように、コンサル業界ではコミュニケーション能力やプレゼンテーション能力、情報収集能力が求められる傾向にあります。これらのスキルは、クライアントとのやり取りや提案の場面で大きな強みとなります。
公認会計士としての専門スキルだけでなくビジネススキルの習得や向上を目指し、実際のコンサルティング業務で求められる総合力を高めておきましょう。
公認会計士の転職に特化したエージェントに依頼する
転職活動をスムーズに進めるためには、公認会計士の転職に特化した転職エージェントに相談するのがおすすめです。専門のエージェントは、コンサル業界の最新の動向や各ファームの特徴、求められるスキルなどの詳細な情報を提供してくれます。
また、履歴書や職務経歴書のアドバイス、面接対策などのサポートも行ってくれるため、安心して転職活動を進められるようになります。
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公認会計士としての経験を生かし、コンサル業界でキャリアアップを目指すならVRPパートナーズにご相談ください。VRPパートナーズは、公認会計士の方に向けた転職エージェントサービスを提供しています。
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また、VRPパートナーズでは経験豊富なコンサルタントがコンサル業界の最新動向を踏まえた上での面接対策や履歴書・職務経歴書の作成支援なども行っているので、公認会計士としての次のステップを考えている方は、ぜひ一度ご検討ください。
まとめ
公認会計士がコンサル業界に転職することでキャリアの幅が広がり、新たなスキルや知識を身につけるチャンスが増えます。特に、キャリアアップや高収入の実現、さまざまな業界のプロジェクトを経験することで得られる柔軟なキャリア形成は、多くの公認会計士にとって魅力的な選択肢です。
その一方で、コンサル業界は高いスキルと継続的な学習が求められる厳しい職場でもあります。自身の目指すキャリアゴールを明確にし、業界特有のスキルを磨くことで成功への道が開けるでしょう。
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